ボクシングでWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)に挑戦する、元2階級制覇王者の同級10位モイセス・フエンテス(30=メキシコ)が、29日に都内のジムで練習を公開した。シャドー、ミット、パンチングボールを2分ずつこなしただけ。比嘉陣営も視察していただけに、早々にホテルへと引き揚げ、手の内は一切見せなかった。試合は2月4日に沖縄県武道館で行われる。

 16年の大みそかにWBO世界ライトフライ級王座を田中恒成(畑中)と争い、5回TKO負けして以来の来日となる。前回は7キロオーバーで来日した上、試合会場では寒さにコンディションを狂わせた。東京は厳しい寒さながら、2月1日に入る温暖な沖縄開催でもあり、「前回と条件は違う。大きな責任を負い、44戦してきて経験も熟した」と3階級制覇へ気合十分だ。

 比嘉陣営は具志堅会長と野木トレーナーが敵情視察した。会長は前回フランス人相手にフランスパンを手土産に持参した。今回は手ぶらで、2人のトレーナーに「どちらがチーフ?」「今の体重は?」と2つ質問。「あと2キロ」の答えに「3キロはある」との読みだった。

 30分あまりの視察だったが、会長は「思ったより大きい。バランスのとれた締まった体を作ってきている。強そうな顔をしている。打ち合いになる。前半4回までの動きで流れは分かる」と分析した。日本タイ15連続となる比嘉のKO決着の呼び声が高いV2戦。会長は「気は抜けない。要注意」と楽観ムードに警戒警報を発令した。