ボクシングWBA世界ヘビー級12位でWBOアジア・パシフィック同級王者藤本京太郎(33=角海老宝石)が、12月21日に英国でWBO世界同級6位のダニエル・デュボア(22=英国)とWBOインターナショナル、WBCシルバータイトル(ともに日本非公認)をかけて戦うことが決まった。

13日、東京・後楽園ホールで会見した藤本は「ほんとに長かった。暗闇の中、トンネルを歩いてきた」。今回のファイトマネーは1億円。元K-1王者から11年に転向して以来、やっと巡ってきたビッグマッチを喜んだ。

事実上の世界タイトル戦挑戦者決定戦で、勝てば念願の日本人初ヘビー級世界戦の道もひらける。だが、相手デュボアはアマ69勝6敗、プロ13戦全勝12KOの英国期待のホープ。しかも、身長は183センチの藤本より13センチ高い198センチ。技術もパワーもあり、厳しい戦いが予想される。対戦決定後に相手のビデオを見たという藤本は「ビビっているところ。12回したくない」。この日の会見のためにパンダを呼び、「あと1カ月、動物とやるぐらいの感じ」でと、パンダに拳を打ち込み、イメージを膨らませた。

番狂わせのチャンスはある。担当の阿部トレーナーは「昨日たまたま見た」と10年のK-1で藤本がピーター・アーツを2回KOで倒した試合を例に出し、「すごいスピードだった」と称賛。今回もスピード重視で調整を進め、「スピードで上回り、足を動かす。出入りで何とか倒して勝ちたい」と作戦を明かした。

今週末からは米ロサンゼルスに移動し、ヘビー級の選手らとスパーリングを重ねる予定だ。藤本は「ロッキーのような気持ちで戦いたい。ボクシングは何があるか分からない。強い気持ちをもってリングに上がりたい」と自らを鼓舞した。