IWGPヘビー級、同インターコンチネンタル(IC)2冠王者の飯伏幸太(38)が、エル・デスペラードに2度のカミゴェを決めて勝利し、今回から統一となったIWGP世界ヘビー級の新王者に輝いた。1月4日に2冠王者となってから言い続けた統一の願いが、2月28日の内藤戦でのIC防衛後に実現。最初のタイトルマッチでベルトを手にし、新たな歴史を作り始めた。

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最後の2冠戦を制したのは飯伏だった。終始左足を攻められ続けた苦しい戦いに、右膝2発でピリオドを打った。試合後は崩れ落ちたデスペラードとガッチリ握手。「本当に強かった。(試合前に)しょっぱいとか言ってごめんなさい」と相手の力を認めた。リング上で見納めとなる2つのベルトを手にし「これを1つにして世界のベルトにしたい」と高らかに叫んだ。

1月5日の2冠初防衛後に統一を宣言。新日本プロレスに受け入れられず、2度目の防衛戦後に改めて要求。2月末に内藤に勝利し、ようやく実現となった。以前から「歴史を残した上で統一する」と話していたが、否定的な意見もあり、この日はデスペラードへの手拍子の方が多いというまさかの事態。そんな劣勢も王者のプライドではね返し、ベルトを死守した。

87年、アントニオ猪木が初代王者となったヘビー級。11年に創設され、飯伏の尊敬する中邑真輔らが支えてきたIC。実力者たちが巻いてきた2つのベルトに終止符を打った。初の防衛戦は4月4日。この日始まったニュージャパン杯の勝者と戦う。「いつでも誰でもいい。強い相手と戦って世界一のベルトにする」。初代王者となった飯伏は、これから歴史を作り出す。【松熊洋介】