プロボクシング3階級制覇王者でWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26=M・T)が初防衛に成功した。

那須川天心(25=帝拳)も自身初の10回戦でボクシングデビュー4連勝を飾った。同級4位のジョナサン・ロドリゲス(25=米国)と自身初の世界ランカー対決に臨み、3回1分49秒TKO勝ちを収めた。

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短い時間に中谷の強さが凝縮されていた。倒した左ボディーストレートには伏線がある。開始から重心を低くして強い左ストレートを2、3発顔面にたたきつけた。相手がガードを上げて危険なパンチに警戒を強めた。そこでノーマークのボディーを狙った。

あっけなく倒れたように見えたが、ボディーへの意識が抜け、息を吸ったタイミングで強打を食った挑戦者のダメージは想像以上だった。今日の王者は最初からKOを意識して、出すパンチはすべてKOにつながっていた。ボクシングIQが相当高いと思った。統一戦の相手にウチの井上拓真の名前を挙げたが、上背もあるし、階級を上げれば(井上)尚弥にとっても強敵になる。

天心はスピード、パワー、踏み込み…あらゆる要素で格段に進歩していた。特に左ストレートには驚いた。帝拳の先輩王者・山中慎介のように拳を回転させる打ち方をマスターしていた。天心もウチの(WBO世界バンタム級王者の)武居(由樹)にとって脅威になるが、2人の試合が実現すれば盛り上がる。日本ボクシング界にとって夢のある未来が広がった1日だった。【元WBA、WBC世界ミニマム級王者】