新日本プロレスの「BEST OF THE SUPER Jr.33」がいよいよ14日の後楽園大会から開幕する。昨年のBOSJで準優勝し、今年は新日ジュニアの顔へと飛躍を期すYOH(37)に今大会への意気込みなどを聞いた。
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-今大会で注目している選手、優勝決定戦で戦いたい選手はいますか
「借りを返したいなって一番思うのが、藤田晃生ですね。去年、藤田に負けて優勝を逃してしまったので。その忘れ物というか、借りを返したい。藤田はここ1年、勢いが増している感じがしますし。あと、夢のある対決というか(マスター)ワトともやってみたいなとも思います。(タッグの)パートナー同士で決勝をしてみたいなっていうのももちろんあるんですけど、まあ、ほぼほぼ一択で藤田ですね」
-去年の決勝の再現をすると
「はい、次こそは極上のCHAOSでレインメーカーを決めてやろうかなって思ってます(笑い)」
-YOH選手と同じBブロックでライバルになりそうなのは誰になりますか
「KUSHIDAさんは久しぶりですけど、あと触ったことのない豹さんとか佐々木大輔さんとか、純粋に楽しみです。それからデスペラード。今のジュニアの顔といったらデスペラードなので。意気込み的には超えてやるっていう気持ちはあります」
-このBブロックの中でどういう戦いを見せたいですか
「今年のSUPER Jr.のテーマはすでに僕の頭の中にあって。それは本番、開幕してみてっていうところなので。面白いことをするつもりです。僕の中でのイメージはあります。基本のスタイル的には何年も変えてなくて、そこに『この選手だったら、こういう感じかな』ってコーディネートしてる感じです。それでお客さんを沸かせられるようになったというか。僕とストーリー性のある選手も多いので、いろいろミックスしていきたいなというのはあります」
-今大会には、退団した高橋ヒロム選手がいません
「会社でも何でもそうですけど、一緒のメンバーで定年までいるって、まずないじゃないですか。ヒロムさんにしてもキャリア16、17年くらいで、そのぐらいが一回、考えるんだと思うんですよ。『また挑戦したいな』っていうか、その気持ちがすげえ分かるんで。EVILさんにしても高橋ヒロムさんにしても。やっぱり、もう一段上に行きたい、自分がどこまでできるのか追求したいみたいなところは、その気持ちはめっちゃわかるし、その選択がめちゃくちゃ格好良いと思ってます」
-YOH選手は今大会も含めて今年はどういう1年にしていきたいですか
「もうジュニアの顔になるというか、新日本のエースになるって、僕は言ってるんで」
-普通に正統派エースって感じですか
「正統派っていうか、やっぱり棚橋弘至もそうですけど、今までにないものを作った人間が勝ち残ると思っていて。棚橋弘至も、みんなベビーフェースとしてのお手本にしてるんですけど、お手本にしちゃダメで。当時チャラ男で売ってたじゃないですか。色物だったんですよ。それを突き詰めて、信念を曲げずにやっていったら唯一無二になるんですよね。まあ、そもそも棚橋弘至のマネはできないんですよ、っていうことに気づいて。オリジナルを作り続けるとか、信念を曲げずに突っ走り続けるっていうのがあると思うんです。僕が優勝してベルト取って、だとしても今のスタンスは変える必要ないです。変える気はないですね。お客さんに寄り添ってとか、そういうことは一切しないです」
-確かにYOH選手は何をしでかすかわからないみたいな魅力を持っていると思います
「まあ源流といったらアントニオ猪木さんっていうのがあって。プロレスは何が起こるか分からない、バカになれっていう、そこをひたすら突き詰めてますね」
-それから今、ジュニアのベルトをDOUKI選手が持っている現状をどう見られていますか
「(タイトルマッチで)DOUKIに負けてしまったからアレなんですけど、まあでもね、ちょっとつまんないですよね。ちょっと飽きてきた。介入とか、お客さんも多分もう飽きてると思うんですよ。向こうも新しい方法を考えておかないと、次やった時は僕が(ベルトを)とっちゃうよと。ちょっと作戦変えないとっていうのはありますね。負けた僕が言うのもなんですけど。ちょっと今のDOUKIはね、魅力には欠けるかもしれないですね、他のジュニアより」
-同じことをしすぎているって感じですか
「はい。もうちょっと破壊的なスタイルが僕は好きなので。(今のDOUKIは)普通のヒールって感じなので」
-ヒールとして小さくまとまっちゃってるみたいな感じですか
「前回のあおりのコメントで言わせてもらったんですけど、そんな気がしてますね。まあ負けたんですけど(笑い)」
-先ほど、ヒロム選手やEVIL選手がちょっと考える年代だっていう話をされてましたけどYOH選手は次の数年間を想像したりしますか
「しますね。なので、先ほどの先輩方も多分そういう気持ちだったのかな、みたいなのがちょっと読み取れたというか。やっぱりプロレスラーになろうと思った時の気持ちを持ち続けたいってあるんですよ。初期衝動ですね。プロレスラーかっけー、俺もなりたいって思ってた時とか。実際になれるかどうかもわかんないけど、とりあえず頑張ってみるっていう、その時の気持ちをずっと持ち続けたいみたいなのがありますよね」
-だからこそ、ちょっと職場を変えてみようかな、みたいなのが出てくるんですか
「海外挑戦とかだと、それより上のリングって規模感的にもないんですよ。だから、そこに一回立ってみたいなと思うのはプレーヤーである以上、当然だと思うんですよ。逆にそういう気持ちがないと、停滞してしまうんで、どんどんつまらないふうに落ち着いちゃうんじゃないかなという気持ちはあります」
-YOH選手も海外を考えることはありますか
「考えますね。向こうから声がかかるぐらいのレスラーになりたいなとは、常に思ってます。それがないとね」
-そんな唯一無二のものを目指しているYOH選手の心に引っかかる選手っているんですか
「選手ではいないけど、デヴィッド・ボウイはお手本にしてますけどね(笑い)。インスパイアされてますね。影響は受けてるかもしれないです」
-でもボウイって僕(筆者=52歳)から上ぐらいの世代が聞いていたアーティストですよ
「(世代は)全然違いますね。のめり込んで聞いていたような時はないんですけど、それこそアナログレコードを集めて聴いてみて。映画見て、この曲、デヴィッド・ボウイなんだ、みたいなのもありました。で、この人どんな人なんだろうなって、掘り下げて調べていたことがあって。あ、こういう感じで表現してるんだって、ちょっと参考になったり。自分が今やってることと近いかなとか、重なる部分があったので。変幻自在な感じで」
-YOH選手もボウイのように中性的な部分がありますよね。そういうのもボウイからですか
「そういうことにしといてもらっていいですか(笑い)」
-ちょっとボーイズラブ的な
「SHOに関してはね(笑い)。その時のテーマで自分を変えて、みたいなところを参考にさせてもらっています」
-YOH選手は1つの見方で固定されたくないというところがありますよね
「ありますね。一つのキャラクターで固めたくないっていうのと、あと僕自身、小松洋平っていう人間がたいして面白くないんですよ。なので、何か自分でテーマを見つけて、そこに色をのせることによって、それで表現できているんです」
-ちなみにデヴィッド・ボウイ以外に影響を受けた人物で思いつくのは
「ハルク・ホーガンですね。あとザ・ロックとか。僕が夢中でWWEのゲームとかやってた時に使ってた選手ですね。引退したジョン・シナとかもそうですけど、本当のスーパースターって、技は数えるぐらいしかないんですよ。あとは表情だったりとか、所作でお客さんを納得させてしまう。その発するオーラですよね。あとマイケル・ジャクソンが立ってるだけでお客さんが失神するっていう。それを日本だと武藤敬司選手にも感じていて。入場を見られるだけで、ラブポーズを見られるだけで満足だ、みたいな。そこまでいったら本物だなって思いますし、あれが極みだろうなと。僕もそこまで行きたいと思いますね」
◆YOH(よう、本名・小松洋平)1988年(昭63)6月25日生まれ、宮城・栗原市出身。野球、柔道、レスリングをバックボーンに、12年11月19日の渡辺高章戦でデビュー。得意技はDIRECT DRIVE。獲得した主なタイトルはIWGPジュニアタッグ王座、NEVER無差別級6人タッグ王座。171.5センチ、85キロ。

