来年の大相撲初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)で綱とりに挑む大関貴景勝(24=常盤山)が1日、報道陣の電話取材に応じた。

2年ぶり2度目の優勝を果たした11月場所後、この日が稽古始め。四股、すり足など基本運動で汗を流した。場所後の1週間のうち半分は完全休養に充てたといい「疲れを抜くのに少し時間がかかった」ようだ。それでも1週間の休みの後半は、体作りを始めていたようで、体の張りもある様子。「ここから、もう何段階も上げていければ」と稽古の虫がうずいた? ようだ。

一方で11月29日の「いい肉の日」には焼き肉を食べたように「食べたいものを食べさせてもらった1週間」と少しばかりの休養期間を満喫できた。軽めの始動には「来場所に向けて、いいスタートが切れているな、と思う」と話した。初場所までの調整法に特段の変化はなく「いつも通り基礎で体をつくり、実戦を踏んで、また基礎をしてという、自分の感覚でいい流れをつかんでやっていけたら」とイメージした。

秋場所後に続き、12月18日から6日間、両国国技館内の相撲教習所で合同稽古が行われる。それには「自分の体次第」と前置きしながら「参加したいと思っている。できる環境で一生懸命やれたら」と意思表示した。

2場所連続優勝が求められる綱とりについては「成績を残さないと上には上がれないので、とにかく一生懸命、頑張ることしかできない。あまり深く考えず、ノビノビやれたらいい」と自然体で臨むことを自分に求めた。

突き押し相撲一本で、ここまで上り詰めてきた。横綱昇進ともなれば、希少価値がある。「押し相撲の人は、そこまで体は大きくないし、幅を広げようとしても、あんまり取れない」と押し相撲で横綱が少ない要因を独自の視点で分析。その壁を破るべく「自分でその可能性を止めてしまったら一生、そこで終わる。(押し相撲で横綱になるのは)無理って言われているから、やりがいを感じている」と気概を示し「やっぱり自分は押し相撲しかない。小さい頃から目指してきた(押し相撲という)もので頂点に、横綱になりたいというのはある」とキッパリ話した。綱とり場所については「1日1日、トーナメントのように」と目の前の一番に集中して臨む。

師匠(元小結隆三杉)と先代(元関脇舛田山)の年寄名跡交換に伴い、11月場所までの「千賀ノ浦部屋」から「常盤山部屋」の力士として初めて臨む初場所でもある。最後の「千賀ノ浦」で優勝し「本当に良かった」とした上で「新しい名前の部屋でも、いい成績を残したいと思う」と新たな発奮材料に変える。

今年1年を1字で表すとしたらという、年末恒例の? 問い掛けには「まだ浮かばないので、また年末に」とした上で、今年1年は「ケガもあったし優勝もできた。いいことも悪いこともあったという感じ」と振り返っていた。