大相撲の実況などで人気の藤井康生アナウンサー(65)が1月31日付でNHKを退局し、2月1日からフリーになった。

1979年にNHK入局。60歳で定年を迎え、65歳となった後の1月31日に再雇用期間が終了した。同20日の初場所12日目が最後のテレビ実況となった。同31日はアナウンス室で雑務をこなし、スポーツアナウンサー十数人が送り出してくれたという。「一杯飲みながらというわけにもいかないので、会議室のようなところに集まってくれて、花束と記念品をいただきました」。

一夜明けた1日、フリーアナウンサーとして再出発した。

「今はもうNHKの人間ではないということで、少し自由になったなというのはあります。自由というのは言葉がおかしいですけど、自分なりにやりたいことを、自分自身の責任においてできる。これから食べていくには、まだまだ仕事をしなければいけないですし、体は健康ですから、意欲をもって次の道に進んでいきたいという気持ちはあります」

新しい名刺や所属先はないまま、自然体でのスタートになった。

実力ある人気アナウンサーだけに引く手あまただろうが、今後は明確には決まっていない。

「こういう仕事があるけどどうか、という方は連絡をいただければ。ほんの少し、話はいただいていますが、方向性は見えていません。早めに決めようと思っています。アナウンスメントを中心に続けていくと思います。大相撲ともかかわっていきたい気持ちはあります。SNSにはまったくうといのですが、YouTubeにもチャレンジしようかと考えています。(チャンネルを)持ちたいんですよ」

大相撲実況での北の富士勝昭さんとの思い出、印象に残っている一番など、藤井アナのインタビューは後日公開します。【佐々木一郎】

◆藤井康生(ふじい・やすお)1957年(昭32)1月7日、岡山県生まれ。中大法学部卒業後の1979年4月にNHK入局。大相撲は1984年名古屋場所から担当し、横綱貴乃花の最後の優勝を決めた一番などを実況した。競馬、水泳、大リーグなども担当し、中継担当した競技は30種。60歳定年後の再雇用期間を終えて、2022年1月31日にNHKを退局した。