大相撲の春巡業が29日、千葉・成田市で行われ、地元千葉県出身の小結琴ノ若(25=佐渡ケ嶽)と前頭隆の勝(28=常盤山)が、トークショーを行った。

これまでの力士生活を振り返り、祖父が故人の元横綱琴桜、父が師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の琴ノ若は「祖父、父と3代で関取になることができた時はうれしかった」と語った。

隆の勝は、力士でなかった人生を想像する質問に「食べるのは好きなので、料理人か甘い物を作る人」と話し、満面の笑みを浮かべた。

トークショー後、報道陣の取材に応じた琴ノ若は「ちょっと硬かったですね」と、内容を追求する相撲と同様、トークも辛口の自己評価だった。

その相撲は、新三役として迎えた初場所から、2場所連続で勝ち越し。それでも先場所は、12日目に2ケタ白星に王手をかけながら、終盤の3連敗で9勝6敗とあって「もったいない部分があった。弱さが出た」と、険しい表情で振り返った。

三役として初の2ケタ白星はお預けとなったままだけに「まずは早く勝ち越して、2ケタ、それ以上を目指して、常に上で争っていけるようになりたい」と力説。大関とりの起点をつくりたい思いだ。

三役には同世代の力士も多く「もちろん負けないようにやっていかないといけないし、飛び抜けていけるぐらいの気持ちでやっていきたい」と、一段と力を込めて話した。

隆の勝は、地元開催とあって「声を掛けられる数も他(の都道府県)とは違う。知っている人も多かった」と、多くの声援に感謝した。

昨年5月の夏場所は、11勝を挙げて優勝次点だったが、その後はケガの影響で精彩を欠いた。先場所が3場所ぶりの勝ち越しでとあって「ケガはだいぶ良くなっているので、あとは気持ち。もっと上を目指していかないといけないし、優勝に絡めるような成績で、存在感を出していきたい」と話し、自らを奮い立たせていた。