大相撲で大関経験者の朝乃山(29=高砂)が、2年ぶりに幕内土俵に戻ってくる。日本相撲協会は1日、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表。先場所は東十両筆頭で13勝2敗だった朝乃山は、東前頭14枚目で再入幕を果たした。新型コロナウイルスのガイドライン違反で6場所の出場停止、大関から三段目まで番付は急降下。それでも復帰6場所目で、番付上は9場所ぶりに幕内力士として名を連ねた。

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昨年7月の名古屋場所で三段目から復帰した朝乃山が、6場所目で幕内まで番付を戻した。復帰後の5場所は合計46勝5敗。先場所は2場所連続の十両優勝こそ逃したが、再入幕は確実だった。この日は「やっと幕内に戻ってくることができた。ここからが本当の勝負。今年中に三役を目指しているので、早くそこに近づきたい。5月場所は最低でも2ケタは勝ちたいし、できれば、その上を目指して、1つでも多く白星を積み重ねていきたい」と力説し、優勝争いも見据える。

最後に幕内に名を連ねた21年11月の九州場所以来、9場所ぶりの再入幕だが、当時は出場停止中だった。幕内力士として土俵に立てば、不祥事発覚で自主的に途中休場した21年夏場所以来、2年ぶりとなる。「土俵に上がれる喜びと感謝を忘れず、また一から頑張っていきたい」。2年前に横綱候補と呼ばれた逸材が、再び頂点を目指していく。

○…若元春が新関脇に昇進し、弟で先場所まで7場所連続で関脇だった小結若隆景とともに、史上4組目の「兄弟関脇」となった。これまで兄弟で関脇以上となったのは、初代若乃花&貴ノ花、逆鉾&寺尾、3代目若乃花&貴乃花と、いずれも人気者。「少ない枠に2人で入ることができたのは光栄。歴代の方と、遜色ないように頑張りたい」と力を込めた。若隆景は先場所中に右膝を大けがしたが、若元春は「絶対に戻ってくる」と、再び兄弟で幕内後半戦を盛り上げる決意だ。