大相撲で西前頭9枚目の平戸海(23=境川)が7日、都内の部屋で夏場所(14日初日、両国国技館)に向けて熱のこもった稽古を行った。

申し合い稽古では21番をこなし12勝9敗。相撲巧者の兄弟子、佐田の海を一方的に寄り切る場面もあった。

3月の春場所では7勝8敗と負け越したが「(夏場所は)まずは勝ち越し。そこから2ケタを目指す」と、目標は昨年11月九州場所以来の2ケタ10勝。持ち味は「前に出て勝った方が気持ち良い」と、鋭い立ち合いから左でまわしを取り押し切る相撲で、稽古でも「負けても前に出る」姿勢を貫いている。

土俵以外の時間では、境川親方の勧めで、第58代横綱千代の富士の動画をチェック。自身と同じく、左で前まわしを取る相撲を得意とした昭和の大横綱からヒントを得ているという。

長崎・平戸市で生まれ育ち、6歳から始めた相撲の他にもサッカーや野球など多くのスポーツを経験してきた。得意のカラオケでは、80年代に流行した「ロンリー・チャップリン」から、22年にヒットした優里の「べテルギウス」まで、幅広い年代の曲を熱唱。カラオケ番組にも出演するなど、本業以外でも存在感? を示している。

「三役の前にまずは2ケタ勝利」と引き締めた23歳。決まり手の46%を占める得意の寄り切りを武器に、夏場所で飛躍する。【黒須亮】