大相撲の名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)で大関昇進に挑む関脇大栄翔(29=追手風)が、チャンスをつかむべく連日20番以上相撲を取って調整を重ねている。12日、埼玉・草加市の追手風部屋で稽古し、申し合いでは遠藤や翔猿ら関取衆と24番。1カ月を切った場所に向けて、ここまで順調な仕上がりに自信をのぞかせた。

得意の突き押しから同じ部屋の関取衆を圧倒し、また、流れの中から四つに組む展開にも慌てず応戦する柔軟ぶりも見せた。足がしっかり動き、土俵際でも相手をよく見て対応する姿が目立った。名古屋場所に向けての稽古始めから佐渡ケ嶽部屋へ出稽古に訪れるなど充実した調整を詰めたことが、体の仕上がり具合に現れていた。

直近3場所連続2桁勝利と乗っている。小結だった春場所は12勝、関脇だった夏場所は10勝し、三役2場所で計22勝をマーク。豊昇龍と若元春(共に21勝)と共に名古屋場所で大関とりを期す。昇進の目安は三役直近3場所計33勝で、昇進争いでは大栄翔が2人より1歩リードしている状況にある。

大関とりに向けて「入門前は(大関は)考えられなかった。ここまできたからにはなりたい気持ちがある。誰でもチャンスが与えられているわけではないので、しっかりつかみたい」。名古屋場所へ「変わらずという気持ちでやりたいけど、いつも以上に気合が入ると思う。それを現せる場所になれば。11番勝つという目標はありますけど、1日一番その日の相撲に勝てれば」と話していた。【平山連】