快進撃を続けてきた東前頭筆頭の錦木(32=伊勢ノ海)が、ついに止まった。勝てば出場した三役以上の力士総なめとなっていた、小結琴ノ若戦で寄り切りで敗れ、今場所初黒星を喫した。初日こそ大関霧島に不戦勝だったが、2日目に横綱照ノ富士を破って金星。その後も、大関とりの3関脇全員から白星を挙げるなど快進撃を続けてきたが、三役以上との最後の対戦で敗れて6勝1敗となった。

小結阿炎を破った前日14日の6日目の取組後は、冗談交じりながら「困りますねぇ。どんどんプレッシャーが乗ってきますから」と話していた。加えてこの日勝てば、自己最高位で関取衆では最も早く勝ち越しに王手という状況だった。勝ち越せば8月の誕生日を経て、33歳で迎える次の9月秋場所は、新三役の権利を得る。はやる気持ちが出てくるのも当然だった。それでも優勝争いの先頭には変わりない。残る対戦相手なども加味すると、依然として優勝候補の本命ともいえる存在。8日目からの再加速を目指す。