大相撲の元横綱鶴竜で、年寄「音羽山」を襲名、陸奥部屋からの独立が27日に発表された音羽山親方(38)が、新たに師匠となった思いを語った。28日、東京・墨田区向島に創設された音羽山部屋で取材に応じた。「新しい年を、新しい部屋で迎えられて本当によかった。いずれ弟子を20人ぐらいに増やして、横綱や大関を育てたい。それが相撲への恩返し」と力説。先に家族と新生活を始めていた部屋に、弟子2人が前日、陸奥部屋から、真新しい部屋に引っ越してきた。

建物は3階建て。もともとは墨田区の施設だった。ただ、活用されていなかったことや老朽化で、不動産会社に売却された。すると不動産会社が相撲部屋としてリノベーション。前代未聞の家主未定の相撲部屋となっていたところに、音羽山親方が手を挙げ、賃貸契約して部屋を構えることになった。同親方は「設備は申し分ない」と納得顔だ。

すでに土俵は使える状態だが「土俵での稽古は年明け」と、当面はトレーニング中心となる。弟子は現在2人で、近く1人が入門予定。部屋の看板は「まだ書いてもらってもいない」と笑う。準備に追われる今が楽しそうだ。【高田文太】