大相撲春場所で110年ぶりの新入幕優勝を果たした、東前頭17枚目尊富士(24=伊勢ケ浜)が、千秋楽から一夜明けた25日、大阪市内で会見した。青森県出身としては元大関貴ノ浪以来、27年ぶりの優勝。会見では津軽弁で「さっぱどしたじゃ(すっきりした)」と喜びを表現するなど、終始笑顔を見せた。

前頭朝乃山に敗れて右足をけがした14日目からの心境や「正直、相撲は好きじゃない」などを、せきららに語った。それでも随所に「まさかここまでできるとは。夢のまた夢。15日間やってよかった。本当にそれだけ」と、実感を込めて喜びを語った。

千秋楽パーティーからの延長戦は、この日の午前5時まで続いたという。午前10時に始まった会見までは、数時間しか睡眠を取っていなかったが「場所中よりも、よく寝られた」と話し、場所中の緊張感の一端をのぞかせた。

けがした右足は、靱帯(じんたい)損傷だが、この日は引きずりながらも、部屋宿舎からの数分の会見場まで、自力で歩いて訪れ、帰っていった。そんな中でも帰り際に「これからトレーニングします」と話し、報道陣を驚かせていた。31日から始まる春巡業への参加は未定としている。