元プロレスラーの武藤敬司氏(61)が、“弟子”の曙太郎さんを追悼した。

11日、大相撲の第64代横綱、曙太郎さんが心不全により54歳で亡くなったことを受け、本紙の取材に対応。「だいぶ長いこと闘病生活をしていたからね。お疲れさまという気持ちだよ」と、天国に旅だった友をねぎらった。

曙さんは大相撲、K-1、総合格闘技を経て、05年にプロレス参入。同年8月、武藤氏が運営したWRESTLE-1の化身グレート・ムタ戦で日本デビューを果たした。その後プロレスに目覚めて武藤のもとへ弟子入り。ユニット「武藤部屋」を結成するなど、数々のリングで精力的に活動した。

武藤氏はその活躍ぶりについて、「ハワイ出身だからアメリカのプロレスにちっちゃい頃からなじみがあった。普通の日本人よりすごくスムーズにプロレスというものを理解していた」と分析。その上で「ある意味天才だった。巨体のわりに俊敏性や瞬発力もすごくあるし、説得力がすごかった」と懐古し、「日本人レスラーでは描けないようなプロレスをやっていた」とプロレスラーとしての非凡な才を認めた。

武藤氏が最も思い出深い出来事は、曙さんの化身モンスター・ボノの誕生という。「(07年ハッスルで)ムタがインリンのおまたに毒霧をはいたことで(ボノが)生まれた。あれは一つのいい思い出だね」と、多くのファンをとりこにしたそのキャラクターを懐かしんでいた。

曙さんは近年、闘病生活を送っていたが、4月に入り体調が急変。11日に、今月に入って亡くなったことが分かった。