瀬戸内7県を拠点に活動するSTU48が29日、山口・周南市のRISING HALLで、陸上公演ツアー第2クールの千秋楽公演を行った。

 山口県出身のエース瀧野由美子(20)岩田陽菜(15)のほか、AKB48と兼任するキャプテン岡田奈々(20)も出演し、デビューシングル「暗闇」の選抜16人全員がそろい踏みした。岡田は影アナから「第2クール千秋楽、ぶちかましていきたいと思います!」とハイテンション。ファンのボルテージも高まり、オリジナル曲「思い出せてよかった」「暗闇」など19曲を披露した。

 「ツアー期間中で成長したこと」がお題のトークでは、薮下楓(17)が「前髪(のセット)に時間がかからなくなった」森香穂(20)は「ダンスが少し上手になった」と、それぞれのエピソードを披露した。

 ところが、おっちょこちょいぶりから「うっかりたきの」の異名を持つ瀧野は、「家のカギをなくさなくなりました。カギを置くところを決めて、家に帰って、そこに置いてからダラダラするようになりました」と、ツアーとはあまり関係のない話を披露し、会場を笑いに包んだ。

 サッカー・ワールドカップ(W杯)開催中とあって、トークではW杯の話題も飛び出した。28日の日本-ポーランド戦を見ていたという佐野遥(22)は、見ていなかったメンバーが多いことに「STU48はブルーでしょう? 日本代表もブルーなのに、なんで応援してへんの?」とチクリ。それでも、福田朱里(19)から「メンバーを選手にたとえてよ」とリクエストされ、「あかりん(福田)は岡崎選手かな。体全体を使ってゴールに導く。あかりんも(ギャグが)滑っても強いし、体を張ってる」と解説し始めた。さらに、田中皓子(21)に対しては「ドイツのエジル選手。みんな、検索してみて。顔がそっくりなんで」と、サッカー通を思わせる小ネタを披露して笑わせた。

 陸上公演ツアーは、グループの大きな売りでもある船上劇場が完成するまでの間、拠点の各地で劇場公演規模のステージを行っており、3月に広島でスタートした。徳島、愛媛、兵庫、岡山、香川、山口の各県を2度ずつ回り、この日で2周目のラストを迎えた。山口での第1クール千秋楽に出られなかった瀧野は「地元山口で千秋楽に出られてうれしい」と感激した。AKB48の選抜としても活動していることから、東京の仕事が多い。「『東京に染まっただろう』と言われることもあるけど(笑い)、東京を瀬戸内に染める勢いで、瀬戸内の良さを伝えていきたいです」と宣言し、大きな拍手を受けていた。

 アンコールでは、岡田がキャプテンらしく締めくくった。瀧野と同じように、グループを離れることが多いが、公演の映像を取り寄せてメンバーの様子をチェックしているという。「みんなの成長を感じました。ダンスもそうだし、トークのテーマも一生懸命に考えていました。ファンとの絆も生まれていました」。瀧野との話題もSTU48のことばかりといい、「『東京に染まった』とか言わないで! ゆみりん(瀧野)は瀬戸内の女ですから」とフォローしていた。

 終演間際には、グループの次のステージとして、7~8月に各48グループの専用劇場などを回るツアーを行うことが発表された。7月16日に大阪・松下IMPホールを皮切りに、新潟・NGT48劇場、東京・AKB48劇場などで公演を行う。専用劇場がないHKT48の拠点、博多での公演はないが、岡田は「今、HKT48とSTU48がのどちらが先に専用劇場ができるのか、争っています。だから楽しみにしていて下さい」と呼びかけていた。