NMB48のデビュー当時からの絶対的エース山本彩(25)が30日、アイドルグループからの卒業を発表した。この日は、東京・中野サンプラザでNMB48の夏の全国ツアーがスタート。最後の曲に入る直前に、自ら切り出した。卒業時期は未定で、後日に詳細を発表するとしたが、年内で活動を終了する見込み。

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 めんどくさい人-。さや姉自身もこう自己分析していた性格が、ぶれない強さを生んだ。10年10月、結成当初からのキャプテン。つねにOG渡辺美優紀と比較され、デビュー曲では渡辺にセンターを奪われるも「みるきーがいたから、私は私でいられた」。人なつっこいライバルとは個性も長所も違った。さや姉は「自分でもめんどくさい性格と思う」と言い、自分を肯定的にとらえられるまでに時間がかかった。

 かつて、さや姉にも1度、熱愛のうわさが報じられたことがあった。ただ、全く身に覚えのない話。自らあえて、SNSで否定するコメントを発信した。

 「違うことは違う」「うそをつきたくない」。自ら説明しないと気が治まらないし、納得しないと動かない。妥協を嫌うし頑固。そして不器用。それゆえ、ぶれることを知らずにいられた。加入前からの夢、ソロシンガーとしてのデビューも果たすことができた。

 夢がかなうと、音楽とグループ活動の両立に悩んだ。昨年、選抜総選挙への出馬を見送ったときから、揺れに揺れた心。多くの仲間の卒業を見送り、やっと「納得」して「卒業」を口にできる瞬間がきた。【NMB48担当・村上久美子】