AKB48横山由依(28)が12日、東京・日比谷野外音楽堂で行われたライブ「MX夏まつり AKB48 2021年最後のサマーパーティー」で、グループ卒業を発表した。2代目のAKB48グループ総監督を務めるなど、グループをけん引してきた。今後も芸能活動は継続。卒業コンサートも予定し、29歳の誕生日翌日の12月9日に、学舎の東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行う。

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さわやかな浴衣姿で、アンコールに卒業を発表した。「私、横山由依は、AKB48を卒業します」。声を出せない会場のファンが固唾(かたず)をのんで見守る中「ここ最近、以前から思い描いていた夢が具体的に見えてきたので、一歩踏み出そうと思いました。AKBを客観的に見ることも多くなって、みんなが頼もしいです」と話した。

節目はいつも、野外だ。09年、歌手に憧れたはんなり少女は、AKB48の9期生として加入した。グループがブレークしていく真っただ中で、10年10月10日、東京・葛西臨海公園で行われた「野外ライブ」で、同期の中でいち早く正規メンバーへの昇格が発表された。

初ランクインした11年の選抜総選挙では、極度の緊張からスピーチで涙を流し、“生まれたての小鹿”のようにブルブルと震えた。2年連続で司会の徳光和夫に支えられる姿が風物詩となったが、13年に日産スタジアムで行われた第5回選抜総選挙では「ちょっと落ち着いてきました、徳光さん」と笑顔ものぞかせ、成長した姿を見せた。その時も、野外だった。

この日の会場だった日比谷野外音楽堂も野外。スピーチの途中、涙を見せ「AKB48という本当に大切な宝物に出会えたこと、どんな時も応援してくださる皆さんに出会えたこと、かけがえのない大切な経験をさせていただいたこと、感謝の気持ちでいっぱいです」。グループやファンを思うと声が震えたが、しっかりとこらえた。

実直な性格で、15年12月には高橋みなみ(30)の後を継いでAKB48グループ総監督を務めた。さまざまな経験をして、大きくなった。「これからも夢とか希望を持っていただいたり、明日からの活力になる存在でいたいと思います」。卒業発表のスピーチは、ちょうど4分。しっかりと前を向いて、アイドル卒業までのカウントダウンに入った。【大友陽平】