AKB48の最新シングル「根も葉もRumor」が29日に発売される。グループにとって約1年半ぶりとなるシングル表題曲の見せどころは、グループ史上最難度ともいえる「どえらいダンス」だ。

同曲の振り付けは、高校ダンス部界では“強豪”と言われる三重高ダンス部「SERIOUS FLAVOR」顧問の神田橋純氏が担当した。神田橋氏によると、制作側からは「遠慮せず、ダンス部の生徒たちの大会作品を振り付けするようにお願いします」とのオーダーを受けたといい「裏でも一切手を抜かずひたむきに頑張る彼女たちの姿や、ダンス部の生徒とはまた違う“プロ意識”を目の当たりにし、『アイドルだから』と遠慮することなくガンガンに攻めた振り付けにした」という。

基本となっているのは「ロックダンス」。ロックとは「LOCK=錠」のこと。激しい動きから、キュッと(カチッと)止まる動作の流れからつくるのが基本となるスタイルだ。サビの体の向きを正面にしたまま両足を順次上げるロックダンスの基本ステップ「ウィッチウェイ」も、パッと見は誰でも出来そうな気がするが、体の軸をずらさずにリズムを取りながら足を交互に上げるのはかなり難しい。10日に都内で行われたイベントでも小栗有以(19)が「体幹や筋力がかなり大事なので、もっと筋トレをしないと」と話すほど。さらに18人で動きをシンクロさせると、とてもダイナミックだ。

さらに今回のもう1つの特徴は、選抜18人が姉妹グループメンバーを含まない、全員“純AKB”メンバーであることだ。08年にSKE48が結成されて以降は、姉妹グループのメンバーからも選抜されることが通例で、10年9カ月前の「チャンスの順番」も「じゃんけん大会」をAKBメンバーのみで行ったための“純AKB”選抜だった。

センターの岡田奈々(23)柏木由紀(30)ら選抜常連メンバーのみならず、谷口めぐ(22)千葉恵里(17)西川怜(17)といった初選抜メンバーも名を連ねた。神田橋氏は「教員である私が1番力を入れたのは、1人1人の練習の様子やチームメンバーとの関係性などを考えて、『1人1人が輝けるように』できるだけ考慮した振り付けやフォーメーションを作成しました」。初選抜で、ダンスに定評がある横山結衣(20)が抜群の存在感を放つなど、早くもポテンシャルが表現されている。

先月13日にYouTubeで公開されたダンスプラクティス動画「へとへとver.」は150万回再生を超えるなど、メンバーが必死に踊る姿に注目は集まっている。「恋するフォーチュンクッキー」のように、誰もが気軽に踊れる…とはならないかもしれないが、「チャレンジ動画」などがSNSで広まり、今のAKB48をどんどん伝えていくムーブメントを仕掛けられるか…。「AKB48の大逆襲」には、大事なシングルとなることは間違いなさそうだ。【大友陽平】