NGT48荻野由佳(22)が今日30日夜に、新潟市内の朱鷺メッセで卒業コンサート「私をアイドルにしてくれてありがとう」を行う。17年の選抜総選挙の速報1位で一躍“シンデレラガール”となり、2度センターを務めるなど、グループの顔としてけん引し続けてきた。

「何があってもへこたれない!」と走り続けてきた約6年半のアイドル人生の集大成を、大好きなステージで見せる。

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48グループが“国民的アイドル”と呼ばれるのは、選抜総選挙やじゃんけん大会などの斬新なイベントとともに、全てをさらけ出すドキュメンタリー性…グループやメンバーが紡ぎ出すストーリーが、人々の心を捉えてきたからだと思う。

荻野由佳には、加入前からストーリーがあった。48グループをはじめ、他のオーディションにもことごとく落ちた。初めて会ったのは、14年12月30日、NHK紅白歌合戦のリハーサルが行われたNHKホールの通路。体調不良のメンバーの代役としてプラカードを提げた少女こそ、「バイトAKB」として必死にもがいていた荻野だった。

新潟で開催され、初参加した16年の選抜総選挙では圏外に。舞台裏で仲間と泣いていると、1位の指原莉乃に声を掛けられ、勇気づけられた。挫折をバネに、翌年には速報ながら、その指原を上回る1位に躍り出た。

自分の感情をさらけ出し、よく泣くメンバーだった。でもその涙の跡は、いつも劇的だった。これからアイドルを目指す子にエールを送るなら「人生何が起こるか分からない! だから自分を偽らず、ありのままで挑戦してほしい!」。これが、荻野由佳のアイドル道だ。【大友陽平】