「大人AKB48」塚本まり子(38)が1日、AKB48を卒業した。東京・秋葉原のAKB48劇場で行われたチーム4「アイドルの夜明け」公演に出演。駆けつけた夫や息子2人、ママ友らも見守る中、4カ月間のアイドル活動を終え、涙で「普通のママ」に戻った。

 ほおをつたう涙を、右手の甲で何度もぬぐいながら、塚本が叫んだ。

 「まりりは、ひとまず、普通のママに戻りますっ!」

 笑顔で、ステージ前方にマイクを置いた。昭和のスター、キャンディーズと山口百恵さんの引退時にちなんだ、世代を感じさせる卒業宣言。「まりり」コールがこだまし続けた。

 4月、オーディションに合格しAKB48入り。7月に劇場デビューを飾った当初は、立ち位置や振り付けが覚えられず、他メンバーに助けられる場面もあったが、この日で公演も7回目。踊りも表情も板についてきた。関係者は「最後の卒業公演だけはどうしても完璧にしたいと、最近は一日中レッスンに励んでいた。ご家族の協力も大きかったようです」と話す。

 この日は「上からマリコ」「アイドルの夜明け」など多くの曲でセンターポジションに立った。「片思いの対角線」では人妻らしく悩ましげな表情も見せた。前列で見守る夫と2人の息子(3歳と1歳)に気づくと、メンバーと一緒に「ママ、頑張ってるよ~!」と笑顔で手を振った。

 アンコールは涙、涙だった。仕事の都合などで出演していなかった加藤玲奈(17)らがサプライズ登場。「教えてMommy」を歌い終えると、メンバーたちから一斉に抱きしめられた。塚本は涙を流しながら「本当に、すごくキラキラした4カ月間でした。ありがとうございました」とあいさつし、大きな拍手を浴びた。

 終演後、すっきりした表情で「大人になっても、成長できる。未練はないです。完全燃焼です」と言い切った。「家事もたまっているから、明日からはひとまず子育てに専念します」。メンバーからもファンからも愛されたママが、4カ月着続けた制服を脱いだ。【横山慧】<塚本まり子の歩み>

 ▼4月17日

 お披露目記者会見。島崎遥香から「まりり」と命名される。

 ▼5月11日

 京セラドーム大阪で握手会デビュー。茶色のミニスカ姿で、島崎や横山由依と同じレーンに並び大盛況。グリコ「パピコ」CMも初披露された。

 ▼6月7日

 東京・味の素スタジアムで行われた選抜総選挙開票イベント前のライブで初めてパフォーマンスを披露。「パピコ」のCMソング「教えてMommy」を歌う。

 ▼7月16日

 劇場公演デビュー。ほかの出演メンバーの平均年齢は16・1歳。

 ▼8月18日

 東京ドームコンサート初日公演に出演。卒業生篠田麻里子の代表曲「上からマリコ」で、同じ「まりこ」としてセンターを務めた。