今週はフリーアナウンサー住吉美紀アナ(46)の最後の登場となります。NHKを11年3月に退職してもう9年近くになります。NHKを離れるにあたり、当時はどんな思いを抱いていたのか。今、外から見えるNHKはどんな存在なのか。フリーアナとしての今後の夢も含めて聞きました。

和装が似合う住吉美紀アナウンサー(撮影・中島郁夫)
和装が似合う住吉美紀アナウンサー(撮影・中島郁夫)

外から見るNHKはどう目に映るのか。

「ニュースを淡々と伝えてくれるところは私的には見やすいです。事実だけを把握できます。あと情報が信頼できること。NHKの取材の仕方など、私も中にいたので分かるので。中も分かった上で、とても信頼して見ています」

一番の魅力は信頼か。

「NHKは1つ1つの番組に対して、情報が正確かどうかやちゃんと視聴者に伝わるかなど、時間をかけて議論して作り込むことが多いんです。すると当然、いい物ができる。そんな環境を与えてもらえていたのは幸せだったんだと感じます」

在職中はどう思っていたのか。

「他局と比べて遊びが少ないと思われているかも、という側にいました。今は視聴者として、NHKらしく、いいところを伸ばし続けてほしいと思います」

まさか後悔はしていないとは思うが。

「辞めないのもあったなと当時よりは思います(笑い)。人間は成長して変わったりすると、今、あらためて思います。あの頃(退職前)、私は中で役に立てることがなくなってきたかなとか、経験のないことにチャレンジしてもいいかも、との思いがありました。今、管理職の同期もいますが、今の私なら、人を育てることにやりがいを感じたかもしれないですし。人生いろいろ。どっちが幸せだったか分かりません」

辞めて良かったことは。

「辞めていなかったら仲間が大勢いてほぼ家族みたいで結婚をしていなかったかもしれません。結婚できたことは良かったです」

笑顔が今の幸せを象徴しているようだ。最後に今後の目標も聞いた。

「幼い頃から7年間、アメリカやカナダで暮らしたので国際的な場で自分を生かしたいです」

来年は東京オリンピック(五輪)がある。国と国の懸け橋の仕事を担っている気がする。(終わり)

◆住吉美紀(すみよし・みき)1973年(昭48)4月5日、神奈川県生まれ。国際基督教大卒後、96年にNHK入局。「プロフェッショナル仕事の流儀」や07年の紅白歌合戦では総合司会を務めた。11年3月に退局し、フリーに。現在はTOKYO FM「Blue Ocean」に出演。16年1月に一般男性と結婚。趣味は茶道。血液型A。