2年近くにわたって新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けたハリウッドで、新たな変異種オミクロン株の拡大が懸念される中、昨年末に公開された「スパイダーマン」シリーズ最新作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が久々のメガヒットとなり、年末から年始にかけて明るい話題を振りまいています。

12月17日に全米公開された同作は、公開3日間で2億6013万ドルを稼ぎ出し、全米オープニング興行記録で「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)を抜いて歴代2位スタートとなり、年末年始を挟んだホリデー休暇期間に興行収入6億ドルを突破。コロナ禍最大の大ヒットとなっています。日本では1月7日から公開が始まります。

2022年はコロナ禍で公開が延期されていた話題作が多数公開を控えており、久しぶりにハリウッドの大作映画が楽しめる1年になりそうです。年明けを記念し、今年公開予定の必見映画を2週に分けて一挙まとめて紹介します。前半は、今冬から春にかけて公開予定の作品です。

●「スクリーム」 1月14日全米公開

年明け早々14日に全米公開を控えているのが、「スクリーム」シリーズ第5作目となる「スクリーム」。1996年に公開された第1作目はカリフォルニア州にある架空の町ウッズボローを舞台にネーブ・キャンベル演じる高校生シドニーが、ハロウィーンの仮装をした謎の殺人鬼に狙われ、死闘を繰り広げるストーリーで、2011年に公開された「スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション」まで4作品が作られています。新作はキャンベルをはじめ、保安官を演じる俳優デヴィッド・アークエット、テレビ局のレポーター役のコートニー・コックスら初代のオリジナルキャストが再演することでも話題になっています。

●「モービウス」 1月28日全米公開

マーベル・コミックの同名キャラクターをベースにしたスーパーヒーロー映画「モービウス」は、「スパイダーマン」「ヴェノム」シリーズに続くソニー・ピクチャーズによるマーベル映画。スパイダーマンの宿敵でもある天才医師モービウスをジャレット・レトが演じ、「スーパーマン:ホームカミング」(17年)で悪役バルチャーを演じたマイケル・キートンも登場しています。日本公開は現時点では、2022年とのみ発表されています。

●「マリー・ミー」 日本公開4月22日

ジェニファー・ロペス
ジェニファー・ロペス

全米では2月11日に公開される「マリー・ミー」は、ジェニファー・ロペス演じる世界的なポップスターと、オーウェン・ウィルソン演じる平凡な教師との恋愛と結婚を描いたロマンティック・ラブストーリー。ロペスは劇中で抜群の歌唱力を披露していることも話題で、バレンタインの季節にぴったりな、今年もっともスウィートな映画と期待されています。

●「ナイル殺人事件」 日本公開2月25日

同じく2月11日に全米公開されるのが、アガサ・クリスティ原作のミステリー映画「ナイル殺人事件」。1973年に発表された推理小説「ナイルに死す」を映画化した本作は、ナイル川を航行する豪華客船の中で起きた新婚旅行中の大富豪の娘の殺害事件の謎に名探偵ポアロが挑むストーリーで、「オリエント急行殺人事件」(17年)に続いてケネス・ブラナーがポアロを演じています。新型コロナの感染拡大の影響で当初の2020年秋から大幅に公開が延期されており、満を持しての公開となります。

●「The Batman-ザ・バットマン」 日本公開3月11日

クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作以来10年ぶりとなるバットマン単独の実写映画は、全米では3月4日に公開を控えています。本作でメガホンを取るのは、「猿の惑星」シリーズで知られるマット・リーヴス監督で、主人公のブルース・ウェインことバットマンを演じるのはロバート・パティンソン。バットマンと対峙する宿敵ヴィランは、コリン・ファレル演じるペンギンで、キャットウーマンにはゾーイ・クラヴィッツが抜擢されています。

●「ザ・ロストシティ」 3月25日全米公開

サンドラ・ブロック主演で、ブラッド・ピット、ダニエル・ラドクリフ、チャニング・テイタムら豪華俳優陣が出演する「ザ・ロストシティ」は、南の島が舞台の謎解きアドベンチャーです。人生に後ろ向きな恋愛小説家の主人公が、ラドクリフ演じる謎の実業家に南の島に連れてこられることから始まる予測不能の展開とド派手な演出が見どころで、ハリウッドのトップスターたちによる競演とアクションにも注目です。日本公開は現時点で、2022年とのみ発表されています。

●「65」 4月29日全米公開

アダム・ドライバー
アダム・ドライバー

「スター・ウォーズ」シリーズでカイロ・レンを演じたアダム・ドライバーが、サム・ライミ監督とタッグを組んだSF映画。監督と脚本を務めるのは、「クワイエット・プレイス」シリーズで脚本を担当したブライアン・ウッズとスコット・ベックのコンビで、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(18年)などで知られる子役アリアナ・グリーンブラットも出演しています。

●「キューティ・ブロンド3」  5月22日全米公開

リース・ウィザースプーン主演の大ヒット作「キューティ・ブロンド」シリーズ第3弾が、コロナ禍による度重なる延期を経てようやく公開されます。ウィザースプーン演じるブロンド美女エルが、恋人にふられたことをきっかけに猛勉強して弁護士になるサクセスストーリーを描いたシリーズ第1作目から21年の時を経て公開される本作では、40代になったエルがどのような活躍を見せるのか注目です。

●「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」 5月公開

ベネディクト・カンバーバッチが事故で神の手を失った天才外科医ドクター・ストレンジを演じる「ドクター・ストレンジ」(16年)の続編。世界的に大ヒットした「アベンジャーズ」シリーズに登場し、現在公開中の「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」にも出演しているストレンジが主人公となる新作で、メガホンを取るのは「スパイダーマン」シリーズで知られるサム・ライミ監督。ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ役のエリザベス・オルセンやストレンジの元恋人クリスティーンを演じるレイチェル・マクアダムスら前作のキャストも再集結しています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)