落語協会(柳亭市馬会長)恒例の「夏の寄合」が7月31日、東京・浅草のホテルで行われた。落語協会では7月の「夏の寄合」と12月の「納会」の2回、会員が集まって慰労の会を行っている。昔は電車に乗って成田山新勝寺まで出掛けていたが、最近は浅草寺で祈祷を受け、近くのホテルで暑気払いの慰労会というパターンが定例化した。

 今回も、浅草演芸ホールから浅草寺本堂までそろいの浴衣姿でそぞろ歩いて、本堂前に大集合。国内外の観光客でごった返す中、本堂の階段で200人近い落語家たちが記念撮影を行った。最前列の椅子には市馬会長、林家正蔵副会長以下、顧問の三遊亭金馬、鈴々舎馬風ら長老、理事、席亭が座った。昨年までは健在だった三遊亭円歌師匠がいないのはちょっと寂しい。本堂で祈祷を受けた後、近くのホテルに移動して慰労の会が始まった。

 何か話し合うというものではなく、純粋にビュッフェ形式の料理を食べて飲んでという宴会。司会は人気者の柳家喬太郎が務めましたが、仲間から「異議なし」との声がかかると、喬太郎も「異議ありと言われても困るよ」と苦笑いでした。市馬会長、来賓の席亭のあいさつに続いて、馬風の音頭で乾杯後、落語家の宴会などでは定番の中締めが行われた。仕事などで中座する落語家が多いために早めに行うもので、この日は金馬による3本締めでした。

 そして、9月に真打ちに昇進する柳亭こみち(42)、志ん八あらため2代目古今亭志ん五(42)が紹介された。三木男あらため5代目桂三木助(33)は欠席したが、こみちは「よりみちせずに精進したい」と言えば、新志ん五は「師匠(先代志ん五は61歳で死去)よりも長生きして頑張ります」とあいさつした。そのほか、11月に二つ目に昇進する春風亭一朝門下の朝太郎(29)、正蔵門下で正蔵の長男たま平(23)、新しい前座の4人、新しく加入した漫才コンビなどが紹介された。

 その後、宴会となったが、途中で喬太郎が「あんかけチャーハンが新しく入りました」「カレーはたっぷりあります」などと料理の残り具合を細かくアナウンス。最後は二つ目、前座による余興で、笑いのプロの先輩たちを喜ばせるため、アキラ100%ばりに文字通り体を張っていました。

 落語芸術協会(桂歌丸会長)でも「夏期研修会」とという慰労の会を行う予定ですが、開催は8月31日。落語協会も7月31日と、両協会ともに31日に行うのは、通常の寄席興行は10日間ごとで、31日は寄席興行がないため、会員が集まりやすいことがあります。歌丸会長はアキラ100%について「裸でお盆を持って出てきて、何が芸なんですか?」と批判的だっただけに、芸協ではどんな余興となるのでしょうか。【林尚之】