乃木坂46、4期生の林瑠奈です。



何かを選ぶとき、選んでもらうとき、

一番に重視するものってなんだろうか。



ゴーサインを出す決め手となるもの。



それは“唯一性”だと思う。



そのものでなくてはならない理由があるのだ。



他のものには代えられず、

そのものだけが持つ要素を見つけたとき、

人はそこに唯一性を感じる。



面接やオーディションがいい例だ。



このコラムを読んでくれている中には、

選ぶ立場と選ばれる立場の両方がいると思う。



他者と比べ、対象者の唯一性を見つける側と、

自分の唯一性をアピールする側。



そしてテレビやネットで

「選ぶ、選ばれる」の話題が出ると、

ほとんどが選ばれる側にスポットが当たる。



勿論どちらにも心が痛む瞬間があって、

それぞれ同じくらい大変な思いを

しているのだろうということは分かっている。



けれども唯一性というものは、

相手の唯一性を見つけること以上に、

自分の唯一性を見つけることの方が

よっぽど難しいと思うのだ。



世の中必ずしも自分である必要があるもの

って限りなく少ない。



自分の特技や長所として挙げることなんて、

身の回りを少し探しただけでも

同じことを挙げる人がごろごろといる。



唯一性を持つ人が少ないという事実こそが、

それを持つ人が選ばれることを

何より示しているのだ。



自分ってなんだろう、

他の人でもいいんじゃないかな、

代わりなんて沢山いるんじゃないか?



自分のセールスポイントだと

思っていた部分が、

人と出会うことによって少しずつ形を失い、

ぼやけていく。



上に続く階段に

終わりがないことに気づいたとき、

いつもなら向上心に変えられる心の歪みが

挫折となって重くのしかかる。



本来どんな人でも唯一性に溢れていて、

その人にしかないものだらけなのに、

言葉や行動にして

証明しなければならなくなった途端に

意味をなさなくなるものばかりだ。



そもそも唯一性なんて、

そう言ってくれる周りがいることで

成立していくものなのに、

自分から提示していかなければならない時点で

おかしいんじゃないかとさえ思う。



でも誰しもが特別で

唯一無二な存在だという綺麗事では

世界は回らない。



だからこそ、

貴方だけだよと言ってくれる人の言葉を

大切にしたい。



(ニッカンスポーツ・コム「乃木坂46林瑠奈 負けるな!しょげるな!乗り遅れるな!」)