歌手を夢見るアリー(レディー・ガガ)を、人気ミュージシャンのジャック(ブラッドリー・クーパー)が見いだす。「スタア誕生」「スター誕生」の名前で3作作られた名作のリメーク。

ガガから目が離せなかった。ガガとアリーは重なるが、アリーにしか見えないという不思議な感覚だった。表情の美しさ、一瞬で観客を魅了するパワフルな歌…。初めての演技ということが大きかったのだろう、自分の感情をそのままアリーに乗せて演じている。同時にガガに見えないことにも相当気を使ったようで、撮影中には「自分がガガに見えたら注意してほしい」と伝えていたという。

だから「≠」でも「≒」でもない存在感が存分に輝いた。もっと見ていたい、もっと歌を聞きたい、と切に思った。見終わって何日もたつのに、アリーの歌が切なく頭の中をめぐっている。

クーパーもかっこよすぎだ。めちゃくちゃしびれるライブシーンから、酒と薬におぼれて恥をさらす姿まで演じきった。ガガは初主演、クーパーは初監督作品。これからの2人が楽しみだが、えらくハードルが上がってしまった。【小林千穂】

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