ギャンブルの強さが生徒の価値を決めるという高校を舞台にした物語。人気漫画がドラマになり、さらに映画化された。

若い俳優たちの個性のぶつかり合いだ。追い込まれれば燃えるというタイトル通りのキャラクター、蛇喰(じゃばみ)夢子を演じる浜辺美波は、清純派の枠を飛び出した。クールで小悪魔的な夢子が、浜辺の力でより魅力的になった。メインカットの、蛇がごとくの表情は、文楽の人形にある姫が一瞬で蛇や鬼になる仕掛けのよう。きれいで怖い。目が離せなくなる。

高杉真宙は、ギャンブル下手でおろおろと夢子にくっついてばかりの男子。高杉は演技の幅が本当に広い。この役を自然に同化させていて、本当にこういうタイプなのかと思わせる。さまざまな作品、いろんな役にすっと溶け込んでいる。

メガホンを取ったのは「トリガール!」「あさひなぐ」など、多くの青春映画を手掛けた英勉監督。元気のいいキャラがたくさん登場し、交通整理が難しくなりそうなところを、それぞれをキャラ立ちさせた。

題材、設定はとっぴだが、これからの俳優たちがわんさと出ている。キャラからでも演技からでも、気になる俳優が見つかる。【小林千穂】(このコラムの更新は毎週日曜日です)