第1作から5年。心に平穏を取り戻したはずのエルサ女王は、不思議な「声」に導かれ、妹アナや仲間たちと再び旅に出る。彼女のルーツを訪ね、万物を凍らせる、その力のゆえんを知るための旅である。

氷の造形で圧倒した前作に対し、今回は壮大な森や物語のキーとなるダムが背景となってスペクタクルシーンは負けていない。

人気者になった雪だるまのオラフは今回もズームアップされて大活躍。子ども心をくすぐる場面は少なくない。自然との共存や異文化の許容という大テーマもおおらかに織り込まれ、さすがディズニー、ファミリー映画の肝を押さえている。終始見どころの連続で、やや総花的に感じるのは前作のような「ため」がないからだろうか。

前半はエルサの比重が大きいが、「特別な力」を持たないアナが終盤大活躍。気持ちのいいエンディングにつなげる。

試写は日本語版で見たが、前作に続く松たか子、神田沙也加のコンビは、自然に耳になじむ。主題歌は「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」。思いっきりエモーショナルで、今回もブームを引っ張る原動力になりそうだ。【相原斎】

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