累計発行部数160万部を超える直木賞作家の辻村深月氏のベストセラー小説が原作。監督は、「大人が泣けるアニメ」と評判になった劇場版アニメ「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲」(01年)を手掛けた原恵一氏。「クレヨン-」は額に汗して働く労働の尊さを世に問う名作だったが、「かがみ-」は不登校の中学生が主人公となる。
学校に居場所をなくし、部屋に閉じこもる日々を送っていた安西こころはある日、部屋の全身鏡が突然、光り出し、中に吸い込まれてしまう。そこは孤島の城で、見知らぬ中学生男女が6人いた。オオカミの面をつけた謎の少女が7人にこう告げる。「城にある『願いの部屋』の鍵を見つければ、どんな願いもかなう。期限は1年」。鍵探しをするうちに、7人は自分たちの共通点に気づく。
心に傷を持った中学生の成長物語でもあり、謎解きミステリーの要素もある。人と違うことを怖がらなくてもいい。そんなメッセージが伝わってくる。クライマックス直前、こころが仲間たちの記憶に入っていくシーンがある。胸が締め付けられ、涙があふれ出た。大人も、泣ける。【松浦隆司】
(このコラムの更新は毎週日曜日です)




