人生100年時代。この作品をみて、思い出した言葉があった。2年前に83歳の世界最高齢でヨットによる単独無寄港太平洋横断を達成した海洋冒険家、堀江謙一さんは挑戦についてこう語った。「年齢を重ねても、若いときも同じ。目標があってなにかをやることは楽しい。年をとっても、できればそうありたい」。
生きているうちに人生を整理し、新たな気持ちで残された人生に臨む「終活」を題材に、熟年夫婦の悲哀こもごもを描いた「お終活」シリーズ第2弾。前作では、これからの人生を謳歌(おうか)する術を提唱する「熟春」を描いたが、本作は若いときの夢やあこがれへの再挑戦がテーマだ。
結婚50年を迎える大原真一(橋爪功)と千賀子(高畑淳子)。終活セミナーで「再春」という言葉を聞いた千賀子が夢だったシャンソン歌手を目指す。一方で真一には認知症の疑惑が持ち上がる。夫婦の軽妙な掛け合いには、相手への思いやりがあり、味わい深い。
娘役の剛力彩芽ら前作のキャストに加え、長塚京三、凰稀かなめ、大村崑らが新たに参戦。情感たっぷりに歌い上げる高畑の「愛の讃歌」に心が揺さぶられた。挑戦に年齢は関係ない。【松浦隆司】
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