正月の初詣、商売繁盛などを祈願する「十日戎(とおかえびす)」が終わり、例年なら参拝客が少なくなるこの時期、全国でも珍しい「足の神様」として知られる大阪府豊中市にある服部天神宮には連日、多くの参拝客が訪れています。

「羽生選手の足を守ってください」

「ケガが完治し、万全の状態で北京五輪に臨めますように」

「羽生選手が4Aを決め、オリンピック3連覇! 健康なまま凱旋(がいせん)できますように!」

服部天神宮の加藤芳哉宮司(62)は「1月中旬以降から急に参拝される方が増えました。初めは、この時期になぜだろう? ほとんどの方が羽生選手のファンでした」。約2週間で絵馬が1000枚以上、奉納されたそうです。

北京五輪のフィギュアスケート男子で94年ぶりの五輪3連覇を目指す羽生結弦(27=ANA)。絵馬にはファンの願いがこもっています。足の神様への一番多い、お願いは「4A(4回転半ジャンプ)の成功」です。18年平昌五輪の金メダルから4年、本人も繰り返し触れてきた前人未到の大技。子どものころからの大きな夢をファンも共有しています。

平昌五輪は現地で応援したという広島県の40代の女性は「『どうか羽生選手の右足をお守り下さい』とお願いしました。いま唯一、できることは神様にお願いすることです」。北京五輪は一般のチケットが販売されておらず、日本から見守るしかありません。金色の折り紙を丸く切り抜き、絵馬に張った50代の女性は「北京五輪では羽生選手が思い描いてきた4Aを成功させ、いままで努力が報われてほしい。五輪の大舞台で、再び輝くことを信じています」。

同神社には、昨年11月、羽生が右足関節靭帯(じんたい)損傷を発表後、約2週間で足の回復を願う言葉などが記入された絵馬が1000枚以上、奉納されましたが「昨年11月以上に参拝に来られる方が多い」と加藤宮司。4日に北京五輪が開幕し、迎えた初めての週末も多くのファンが訪れました。コロナ禍のため、どうしても参拝できない遠方のファンからは、神様へのお供えと手紙が届いています。「こんなことはいままでになかったです」。加藤宮司も驚いています。

男子ショートプログラム(SP)は8日、フリーは10日に行われます。「絵馬を見させていただくと、みなさんの思いがよくわかります」という加藤宮司は毎朝の「日供祭」で五輪が終わるまで祝詞を上げ、お祈りを続けます。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

羽生ファンが奉納した絵馬の思いを胸に毎朝の「日供祭」でお祈りを続ける服部天神宮の加藤芳哉宮司(撮影・松浦隆司)
羽生ファンが奉納した絵馬の思いを胸に毎朝の「日供祭」でお祈りを続ける服部天神宮の加藤芳哉宮司(撮影・松浦隆司)