乃木坂46井上小百合(24)の主演舞台「フラガール -dance for smile-」(東京・日本青年館ホール、大阪・サンケイホールブリーゼ)が上演中だ。卒業発表直後に主演舞台を迎え、その心境を語った。芸能面の「坂道の火曜日」でお伝えし切れなかったコアなエピソードをお届けします。

舞台「フラガールdance for smile」に出演する井上小百合(撮影・滝沢徹郎)
舞台「フラガールdance for smile」に出演する井上小百合(撮影・滝沢徹郎)

井上は乃木坂46以外の舞台にも多く出演してきたが、女性の大所帯カンパニーは「フラガール」が初めてだった。

「元ハロプロの矢島舞美さんは、共通の友人もいて前から気になる存在でした。すごく気さくに話してくださいます。富田望生さんは太らなきゃいけない役柄なので、ずっとご飯食べていたりして。乃木坂ではみんな結構食事に気をつけているところがあるので、アイドルではない役者さんの役作りを間近で見られて、新鮮でした」

井上は別の舞台の本番に出演していたため、稽古に遅れて参加した。「しっかり地に足着けて、足を引っ張らないように必死でやりました」。構成演出の岡村俊一氏について、「顔合わせの時に優しい口調で『せりふいっぱい覚えられる?』って聞かれて。それで逆に『全部覚えてやる、負けたくない!』って闘争心が芽生えて。友達に一晩中付き合ってもらって、相手役をやってもらって、全部覚えて稽古場に行きました」と振り返った。

「岡村さんからは、『せりふは自分のために言うんじゃない、相手のために言うんだよ』と言われて、すごく心に刺さりました。私の人生、素晴らしいアドバイスをくださる方がたくさん現れるんですよ。本当にありがたいです」

舞台「フラガールdance for smile」に出演する井上小百合(撮影・滝沢徹郎)
舞台「フラガールdance for smile」に出演する井上小百合(撮影・滝沢徹郎)

女優を志して芸能界に入り、トップアイドルグループの人気メンバーとして活躍した。「最初はファンの人に見つけてもらおうと必死で、名前だけでも覚えてもらえればって気持ちだったんですけど、ファンの方々が私の夢まで応援してくださるようになって。私の夢が、私だけの夢じゃなくなっていったんです」と振り返った。

「卒業した後も、ファンの方にはずっと助けられると思います」

感謝と確信に満ちた表情で言い切った。【横山慧】

◆井上小百合(いのうえ・さゆり)1994年(平6)12月14日、埼玉県生まれ。11年8月、乃木坂46の1期生オーディション合格。愛称「さゆ」。14年の「帝一の國」をはじめ、数々の舞台に出演。156センチ。血液型B。

(10月22日付紙面に掲載したものです)