ロンドンブーツ1号2号の田村淳に、日刊スポーツの記者が取材する連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」。今回はテレビから姿を消して、早1カ月以上…。ベッキーについて、ワンクッション置いた今の時点で思うことを淳に聞いてみた。ここまで大きくなってしまった騒動で何がポイントだったのか。復帰の仕方についても、考えを聞く。


田村淳
田村淳

 5股、6股騒動の狩野英孝は、とりあえずバツ1の独身、だったけど、ベッキーは相手が独身じゃなかった。ベッキーは優等生だから、裏切られた感がねぇ。まさか、この人だけは大丈夫だろうって感じだったから。


 ボクは以前、ベッキーと一緒に「笑っていいとも」の月曜レギュラーをやってたんだけど、色恋だとか、全然、そういうのはなかった(笑い)。そういうイメージもないくらい、ピュアな子だから。


 ポイントのひとつは、謝り方の問題かな。謝り方が、よくなかったと思う。


 世間に対して謝る必要は、ボクは全くないと思っています。不倫している人は、自分たち置かれている立場や見つかってしまった時のリスクを承知の上で不倫しています。でもそれがバレると、有名人はなぜか世間にわびなくちゃいけない。そうさせる空気感が、ボクはすごく嫌だなと思うんです。相手の奥さんにわびなきゃいけないとか、迷惑かけたスタッフさんに謝らなければいけないのはもちろん当然ですけど…。世間に謝らなくちゃいけない、というのが、よく分からない。


 とはいえ、ベッキーは会見を開いてマスコミを呼んでおきながら、質問を受け付けなかったよね。そういう一方的な会見を開いたのもまずかったよね。「好きになったら、後から奥さんがいることが分かった。でも、好きが止まらなくなってしまって、こんなことになってしまいました。本当に申し訳ございません。奥さんにも多大な迷惑をかけてしまいました…」っていうのが、ボク的には一番納得できるっていうか…、ベッキーらしさが出る謝罪の仕方だったと思うんです。


ベッキー
ベッキー

 ボクはネットTVのAbemaTVで「田村淳の釈明LIVE」っていうのを始めたんだけど、事件の当事者に来てもらって真相について語ってもらう番組。会見を開いても、やっぱり活字を通すとニュアンスが変わって伝わることが多いから、自分の口で伝えてもらえればと思っています。ベッキー、いつか、待ってます(笑い)。


 そして、相手の「ゲスの極み乙女。」の男、男らしくないなあ。ベッキーがあんな風になってるのに…「全ての責任は僕にあります、彼女を巻き込んでしまった…奥さんにも心配かけました」くらいは言うかなぁと思ってたんですが…事が収まるまで何もしないのは男としてどうなんですかね…事情はどうであれ、大好きな女があれだけたたかれたんですから…


 でも、名前勝ちだなぁとも思うんですよね。何をしても、「ゲスの極み乙女。」なんだから、いいんじゃないかとも思っちゃう(笑い)。


 ベッキーは復帰の時にも、相当たたかれるでしょう。うやむやなまま復帰を許すほど、世間は寛容ではないと思う。


 実はほとんどの人は、「ベッキーについては、もういいんじゃないか?」って思ってるんじゃないですか。他人の恋愛事だからどうでも良いというか…ボクの周りの調査ではそうです(笑い)。


 でも世間には、自らは特に発信しない、テレビ局にも苦情を言わない大多数の人と、テレビ局に苦情とかの電話を入れる一部の人がいる。苦情を言うのはほんの少数なんだけど、その意見が強い攻撃力をもってるんですよね。だから復帰の時にはその人たちからの批判は受けると思う。


 それもふまえて、ベッキーは復帰するときには、やっぱり質問を受けた方がいいんじゃないですか。少数派の厳しい人の“攻撃”もあえて受けた方がいい。謝るかどうかは別にしても、もやもやとしているところを晴らさないかぎりは、復帰は厳しいと思います。


 矢口もミヤネ屋に出たじゃないですか。あれですべての疑問が解決されたわけじゃないけれど、矢口なりに、問題に正面から向き合った。しかも生放送で。それでも、まだ完全には許せてもらっていないんですけどね…


 まあ、ベッキーは矢口とはキャラも違うし、復帰の仕方もまた違ってくるんだろうとは思います。


 バラエティーに出たとしたら…、浮気の話題がでたら、触れないわけにはいかないですよね。ボクの番組に来たら、遠慮なく聞きますよ。狩野英孝の時と同じように、ベッキーにも触れないと(笑い)。


 それが彼女のためだと思ってそうします。今までも、意地悪したくていじったことは一切ないです。


 「淳ってホントに性格悪いな。あんなことまでほじくり出して」って思われるのは、全然いいんです。むしろ狙いとしては、成功(笑い)。視聴者の人に「なんか変だよな」とか、もやもやっとさせたくないっていうのが、番組をやる上でボクが大事にしていることですから。


 そのためにも、テレビ出演の権限を持ったおとなたちがドン!と構えて、「これまでとか、これからのベッキーのことを考えたら、一部の人から批判を受けてもいいよ」っていうスタンスでいてくれてもいいかなとは思います。苦情が来たら手を引くってことの繰り返しだと、表現できることの幅も広がらないし、新しいものも生まれてこないような気がするんですよね。


※連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」は、日刊スポーツの各分野の記者がさまざまなテーマで取材し、率直に話して貰う企画です。今回は「ベッキー騒動」について、芸能担当の小谷野俊哉、ニッカンスポーツ・コム編集長南沢哲也が取材しました。

(ニッカンスポーツ・コム連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」)