肺炎のため89歳で亡くなった人間国宝の落語家、桂米朝さんの長男で落語家、桂米団治(56)が20日午前、大阪市内のホテルで、兄弟子の桂ざこば(67)とともに記者会見を開き、「私は大往生やったと思います」と語った。

 09年以降、複数回の脳梗塞を患い、その都度克服。昨年夏、夫人を亡くした直後から肺炎で入院。同秋、そして、今年1月下旬に危篤状態に陥り、医師からは「はっきり言うたらご寿命です。あちらへ行く準備をしていると思います」と説明されていた。

 それだけに、覚悟を決めていたのか、父であり師匠の米朝さんへの感謝の気持ちが強く、米団治は時折、笑顔さえ浮かべて、父の闘いを振り返った。

 米団治によると、最近は小康状態を取り戻していたが、19日夕に病院から「血圧が下がっている」と連絡を受け、急行。弟子や親族を呼び寄せ、集まったところ「眠るように亡くなった」と説明した。

 一方、米朝一門の筆頭的立場のざこばは号泣。「お疲れさまでした!」と天国に向かう師匠にあいさつすると、涙がこみ上げ、言葉にならず。「じょじょに、こないに上手に亡くなるとは…。こんなにキレイにいくもんなのか」と、声を振り絞った。

 通夜は24日午後6時から大阪府吹田市桃山台5の3の10、千里会館で。葬儀・告別式は25日午前11時から同所で。喪主は長男の5代目米団治(よねだんじ)さん。