昭和の上方演芸史で一時代を築いた「宮川左近ショウ」で活躍し、昨年5月に亡くなった暁照雄さん(享年78)の遺志をくみ、弟子3人で結成した「暁トリオ」が2日、大阪・道頓堀角座に出演し、お披露目口上を行った。

 トリオは、照雄さんと「暁照雄・光雄」を組んでいた暁光雄(53)が、弟弟子になる暁明夫(42)暁輝晶(あきら)(43)を連れて結成。「音曲漫才の灯を消したくない」として、再スタートを切った。

 口上には、ベテラン漫才コンビ酒井くにお・とおるが「後見人」として同席。コンビは「暁の名前を残して、活動していくことになりました」と、トリオを紹介した。

 輝晶は「“輝”く水“晶”のように、透き通った芸人に」と誓い、明夫は「(美形で知られた)師匠に似ていると言われるので、ビジュアル部門で」と笑いを誘った。

 また、天才少年浪曲師としてデビューし、宮川左近らと音曲漫才に転じた師匠の照雄さんから浪曲、三味線をしっかりと仕込まれた光雄は「中でも、一番(習得したの)は、おかまのしぐさ。惜しみなく発揮していきたい」。上品な立ち居振る舞いが女性らしく、個性だった師匠の芸風を継ぐと宣言し、爆笑と拍手をさらった。

 口上後には、ネタも披露。師匠の照雄さんは天才的な三味線の速弾き、バチさばきを披露した後に「なんで、こんなうまいんやろ」と自画自賛し、笑いを奪う決めギャグを持っており、トリオは、師匠へのオマージュからのネタも作成。

 明夫が音程を外して「高校三年生」を歌い、「なんで、こんなにへたなんやろう」と言い、客席をわかせていた。