「NHKのど自慢」で優勝した三丘翔太(22)が「星影の里」で演歌歌手CDデビューすることが10日、分かった。20日発売。

 小学1年の時に曽祖母に連れられて行った銭湯の脱衣場で、大泉逸郎の「孫」を歌って熟女たちの喝采を浴びた。「みんな喜んでくれて、ドリンクやお小遣いをもらえて、歌っていいなと思いました」。その後は、祖父山崎修さんが、趣味で始めた横浜のカラオケ喫茶で演歌を歌い続けた。

 転機が訪れたのは09年、高校1年の5月に横浜で行われた視聴者参加歌番組「NHKのど自慢」。本人が知らない間に祖母の町子さんが応募して、ゲスト北島三郎の「北の漁場」を歌って優勝。北島から「俺より、うまいんじゃないの(笑い)。いつかプロになって同じステージに立てたらいいね」と声を掛けられた。

 その後氷川きよし、山内恵介らを育てた作曲家水森英夫氏にスカウトされて、スーパーでアルバイトをしながら機会を待った。途中、2回もデビューのチャンスが流れたが、所属事務所の大先輩・萩本欽一(74)の公演でグッズの売り子をするなどしながら精進。五木ひろしの目に留まり、昨年3月にBS朝日「日本の名曲 人生、歌がある」に出演したことがきっかけでデビューにこぎ着けた。

 「水森先生からは、言葉の響きを大切にしろ。しゃべるように歌えと言われています」。デビューを喜んでくれたのが祖父母。「祖母は自分で歌手になりたいと思っていたので、僕に夢を託してくれた。頑張ります」と話している。【小谷野俊哉】

 ◆三丘翔太(みつおか・しょうた)1993年(平5)11月30日、横浜市出身。特技はチューバ、コントラバス。趣味は蝶ネクタイ集め。158センチ、49キロ。血液型A。