解散危機にあったSMAPのメンバー5人が18日夜、フジテレビ系「SMAP×SMAP」の冒頭に緊急生出演し、解散回避を意思表示した。

 騒動の発端は、グループを思って独断専行を貫いてきた担当のマネジメント室長と、事務所側の対立だった。けた外れの人気や社会現象を巻き起こすその活躍ぶりに、事務所側はSMAPを特別待遇した。他のグループは担当マネジャーが人事異動で定期的に入れ替わるが、SMAPは育ての親とされるマネジメント室長はその対象外。まるで“独立国”だった。

 両者の溝は年々深まり、修復が難しい状態になっていった。マネジメント室長も、自分とグループの将来を考え、独立に向けて根回しを始めた。事務所側は独立に向けた動きをけん制したが、完全に収束することはなかった。それぞれのメンバーと代理人も出席した上で面談をするなど、時間も手間もかけて現状の把握に努めた。しかし、メンバーが4人と1人に分かれることになるという実態を把握し、「グループ存続はありえない」「解散やむなし」と判断した。

 国民的グループをめぐる異様な状況が、日刊スポーツなどに「解散」と報じられた。事務所側は「解散ありき」で騒動の着地を考えていたが、世論の反響の予想以上の大きさに驚いた。これまで光GENJIなど多くの人気グループの解散やタレントの独立を経験してきたが、今回の反響はその比ではなかった。

 関係者の話を総合すると事務所側が「解散」から「存続」にかじを切る大きなきっかけを作ったのは、木村拓哉の働きかけだった。メンバー4人が独立の意思を固めても、ただ1人残留を決意するなど残りのメンバーと対立構図にあった。しかし、ファンの反響や、SMAPブランドを守る大切さを再認識した木村が、解散を回避するための動きを見せた。2つの想定外が「解散ありき」の結論を軟化させていく流れを作った。