気になる静岡県テレビ局アナウンサーを紹介する連載「静岡アナ 気になリスト」。テレビ静岡永井俊樹アナ(35)の「その2」です。県では希少な若手男性アナとして、バラエティー、スポーツ、ニュースに携わり、ディレクター業務まで担当。頑張りの陰には亡き父への思いもありました。

 -画面デビューは

 入社内定後、研修を月に1度、1泊2日で受け、4月の2週目には、もうニュースを読み始めました。

 -若手男性アナとして期待された

 当時は、県内でも20代男性アナがほとんどいなくて、さまざまなことに挑戦させていただきました。バラエティーの「テレしず通りパロパロ」という番組では、「0~10まで」の仕事で鍛えられました。自分でネタ探し、取材、カメラ、構成、編集、スタジオ本番で読むという感じです。

 -スポーツ番組は

 ディレクター業務として、ニュース番組内のスポーツコーナーで、3分半~4分の企画を作ることから入っていきました。実況デビューは、入社3年目です。テレビ静岡制作で全国ネット中継の「富士登山駅伝」でした。1年前には(全国)春高バレーの実況を担当しました。高校時代はバレー部だったので、しゃべり手として、あこがれの舞台に立てて感動しました。

 -今はニュースも担当

 昨年4月から「みんなのニュース しずおか」で木、金とキャスターをしています。初挑戦で、新聞を「しっかりと」読むようになりましたね(笑い)。困った時は先輩アナだけでなく、報道の記者やデスクに聞いたりもします。

 -アナウンサーとしての今後は

 もっと、いろいろなスポーツの実況・中継に携わっていきたいです。個人的な話ですが、入社4年目の08年3月に父(幹夫さん=享年53)が亡くなりました。父はスポーツが好きで、「スポーツ中継に携わっている息子が自慢だ」と言っていたそうです。亡くなった後に、知人や親戚から聞きました。思えば、バレーボール実況の3日前に父が病院に運ばれたことがありました。母から電話を受けましたが、社内には迷惑をかけてはいけないと、周囲に黙って実況に臨みました。父もそういうことを望む人でしたから。あまり親孝行ができなかったので、「スポーツで頑張る」ことが、父への親孝行という思いはあります。

 貴重な「若手アナ」から働き盛りの「中堅アナ」になり、スポーツ実況、キャスターで忙しい日々。「その3」ではプライベートに迫ります。【鈴木正章】(つづく)

 ◆永井俊樹(ながい・としき)1980年(昭55)9月9日、埼玉県生まれ。明大法学部法律学科卒。04年4月入社。担当番組は「みんなのニュース しずおか」「おは・スポ!サンデー」など。ビジネス実務法務検定2級。血液型B。