第28回「フジテレビヤングシナリオ大賞」が30日、都内の同局で発表され、大賞に大阪府の小島聡一郎氏(会社員)の「ぼくのセンセイ」に決まった。1602編の応募作の中から選ばれた大賞作は、小島さんの最初の作品。小島氏自身が働く会社での出来事からインスピレーションを受けて書き上げた。

 かつて売れっ子漫画家だった中年男性が今では生活に困窮するようになり、渋々ながら若き天才美人漫画家のアシスタントとして働きだす物語。全てを失いかけた中年漫画家は、若き天才漫画家に何度も打ちのめされながらも、人生の大逆転を目指していく。

 小島氏は「独学で学び、今回の作品も突っ走って書き上げたもので、初めての応募でこのような賞をいただきうれしく思っています。ドラマを見て『もっとこうしたほうが面白いのに』と生意気ながら思っていたので、だったら書いてみようというのが応募のきっかけです。普段働く会社で見た、人事異動、思い悩む人の姿、人間関係等からヒントを得て、今回の主人公、作品を書き上げました」と話した。

 同局系で「俺のセンセイ」というタイトルでドラマ化され、12月25日深夜1時から放送される。同ドラマでも脚本を担当する小島氏は「プロデューサー、監督、スタッフのみなさんと一つのものを作り上げる喜びを感じています。たくさんの方にぜひ見ていただきたいですし、きっと楽しんでいただけると自信を持って作業をすすめています」と話した。

 佳作には、田辺晴彦氏の「ズル休み」、川島祐介氏の「赤い糸が切れてくれない」、広瀬絵理さんの「向こうにいく前にしたいこと」の3作品が選ばれた。