昨年10月に亡くなったアニメ「ドラえもん」で初代スネ夫を演じた声優肝付兼太(きもつき・かねた)さん(享年80)をしのぶ会が6日、都内で行われ、漫画家の松本零士氏(79)、藤子不二雄A氏(82)ら約200人が出席した。

 「銀河鉄道999」の車掌を演じた肝付さんについて松本氏は「肝付さんのおかげで、あの列車は走り続けています。あの声を頭の中に聞きながら、これからも車掌さんを描いていきたい」。また、同作で主人公の星野鉄郎役だった野沢雅子(80)は「999じゃない違う列車に乗り換えていってしまったんですね。さびしいです」と話した。

 また、藤子不二雄A氏は「『忍者ハットリくん』『怪物くん』などいろいろなキャラクターの声をやってもらいました。当時のテレビアニメにほとんど出ていた。独特の声で、どんな悪の役もチャーミングで魅力的な声になった」と振り返った。

 肝付さんは、6年前に肺がんと告知され療養生活を送っていた。テレビアニメ草創期から多くのキャラクターを演じ、79年スタートの「ドラえもん」では、のび太をいじめる裕福で要領の良いスネ夫を独特のかれた高い声で25年余にわたって演じた。ほかにも「おそ松くん」のイヤミや、「元祖天才バカボン」のおまわりさん、「ドカベン」の殿馬、「アンパンマン」のホラーマンなど個性的な脇役を多く演じた。