26日のアカデミー賞授賞式で、最優秀作品賞が誤って発表されるという前代未聞のハプニングが起き、授賞式は驚きと混乱の中で幕を閉じた。

 実際の作品賞受賞作品は「ムーンライト」であるところを、「ラ・ラ・ランド」として取り違えて発表されるという、アカデミー賞授賞式始まって以来の不祥事の原因、および、責任は一体誰にあるのか? に注目が集まる中、長年にわたり同賞の投票の集計および管理を請け負っている一流会計監査事務所プライスウォーターハウスの男性社員のミスによるものであると、米情報サイトTMZが報じた。

 ロンドンを拠点とした世界有数の会計監査事務所として知られる同社はすでに、今回の不祥事について謝罪を発表しているが、原因については不明のままだった。

 しかし、TMZの報道によると、勤続30年のベテラン社員が、主演女優賞(エマ・ストーンが受賞)の発表後、すぐに封筒を破棄し、作品賞の封筒をプレゼンターのウォーレン・ベイティに手渡すべきだったところを、誤って主演女優賞の封筒を手渡したと報じている。

 プライスウォーターハウス社からはタキシードとドレス姿に正装した男女2人の社員らがそれぞれ1つずつ、受賞者名が書かれたメモ入りの封筒の入ったアタッシェケースを手に会場入りし、その姿はレッドカーペットでもキャッチされていた。

 男性社員は授賞式の間中、スターたちの写真を撮影し、ツイッターに次々とアップしている姿を目撃されており、注意散漫になっていたとみられている。同社員はエマ・ストーンの写真もツイッターにアップしており、作品賞発表への準備を始めるべき時に、写真をアップしていた疑いもあるという。(ニューヨーク=鹿目直子)