長沢まさみ(29)が主演映画「嘘を愛する女」(中江和仁監督、来年公開)で高橋一生(36)と恋人同士を演じることが30日、分かった。2人の映画共演は04年「世界の中心で、愛をさけぶ」以来14年ぶり。ミステリー要素もある異色のラブストーリーに挑戦する。

 「世界の中心で、愛をさけぶ」で初共演した時、長沢は16歳、高橋は23歳だった。それから14年、経験を重ねた2人が演じるのは、大人のラブストーリーだ。長沢は「『世界の-』で共演したころから尊敬する先輩なので共演はとてもうれしいです」と言い、高橋は「舞台やCMで共演している長沢さんは、少女と大人両方の魅力を美しく表現されている。一味違った関係性でご一緒できることが光栄」と話している。

 5年間同居していた恋人が、名前も職業もうそだったと分かり、自分が愛していた人は一体誰だったのかをたどる物語。長沢はキャリアウーマンを演じ、高橋はくも膜下出血で意識不明になり、うそが判明してしまう恋人を演じる。

 恋愛、ミステリーといった要素に加え、主人公が瀬戸内海に向かうロードムービーでもある。阿部秀司プロデューサー(67)は長沢について「仕事も恋も手に入れた女性が愛とは何だと悩んで涙する。長沢さんはかっこいい女性の代表でもあり、憂いある表情も見せられる女優。難しい役だがそれができる人」と期待。高橋については「『彼は一体何者だったのか』を想像させることが重要な作品。奥深さがあり一番出てほしかった俳優」と話す。高橋はベッドで寝ている場面が多いが、幸せな同居生活やじゃれ合う場面などもある。2人は放送中の映像配信サービスdTVのCMで夫婦の設定で共演しているが、撮影は別々に行った。

 商業映画初挑戦の中江監督(36)はCMディレクターとして活躍中で、長沢が出演したゆうちょ銀行のCMも手掛けた。「嘘を愛する女」の撮影は既に始まっており、愛媛県今治市や広島県尾道市などでロケも行った。長沢は撮影現場について「とても穏やかで居心地がいい。リラックスして現場にいられるので丁寧に役と向き合えたら」と話している。長沢と一緒に真相を探る探偵を吉田鋼太郎(58)が演じる。