上方落語家で現在は東京に拠点を置く桂雀々(56)が22日、芸歴40周年記念公演「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)2017」を東京国際フォーラムで行い、明石家さんま(61)桑田佳祐(61)の大物2人がお祝いに駆け付けた。

 記念独演会は2部構成。前半、雀々が落語「地獄八景亡者戯」を披露する中で「飛び入りはないのか」と呼び掛けると、「は~い、ただいま♪」と白い着物姿で“亡者スタイル”の桑田が登場。事前告知がなかったため客席から大歓声が上がった。桑田は、有村架純(24)主演のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の主題歌でもある新曲「若い広場」を、公の場で初披露するサプライズもあった。

 雀々と桑田は35年前、大阪のラジオ局番組スタッフを通じて知り合った。雀々がサザンのコンサートの打ち上げに呼ばれるなど、プライベートで交流を保ってきた。桑田は「先輩や福山(雅治)君や、うちの事務所の偉い方の前で落語をやっていただいたりしてね。いつも『お金を払う』って言うのにもらわないよね」と雀々の性格を紹介。雀々は「今日も払いません。友達でしょ。安倍と加計でしょ」と時事ネタを絡ませて笑いを誘った。

 後半は、雀々とスペシャルゲストのさんまのフリートークが行われた。雀々はさんまと関西のラジオ番組で共演するなど長く交流があり、さんまは雀々の芸歴35周年記念公演でもゲスト出演した。「去年から『来てください』と何回もメールを打つな。お前の仲間を呼び過ぎやろ。桑田佳祐も明石家さんまも、結構売れてるねん!」と毒づくと、雀々は「前回すごく気に入って、いろんな人に『お前、落語せーへんのか。俺は出たるぞ』と言っているのを聞きました」と涼しい顔で応戦した。

 最後に桑田も再登場。さんまは「(公の場での共演は)40年ぶりぐらいじゃないかな」と言い、桑田ともガッチリ握手。さんまは雀々に「桑田さんに歌わすな。どれだけの人か知ってるか? 『アミダばばあの唄』の作曲者やで!」と叱り飛ばしながらも、大物2人が最後まで雀々の記念公演を盛り上げた。

 ◆桂雀々(かつら・じゃくじゃく)本名・松本貢一。1960年(昭35)8月9日、大阪市生まれ。77年6月に故桂枝雀さんに入門。同10月、名古屋の枝雀独演会で初舞台。86年に「日本放送大賞」新人賞、87年に「NHK新人演芸コンクール」最優秀賞。94年から独演会を定期開催。10年には全国の地獄や閻魔(えんま)にゆかりある土地で「地獄八景亡者戯」を演じるツアーを実施。11年に拠点を東京に移し、独演会は毎回完売する人気ぶり。