AKB48グループや乃木坂46、欅坂46などのアイドルグループが生配信するライブ動画配信サービス「SHOWROOM」の前田裕二社長(30)が、6月30日に初のビジネス著書「人生の勝算」(幻冬舎)を発売。そのタイミングでインタビューをしました。

 8歳で両親を亡くして、小学生の時から、親戚から譲り受けたギターを片手に、路上で弾き語りをして、お金を稼いでいたといいます。大学を卒業して、外資系投資銀行で働いたのはわずか3年でしたが、2年目からはニューヨーク支店で勤務したエピソードなど、なるほどと思わされる部分がいくつもありました。

 基本、圧倒的な努力と人よりも知恵を絞ることで、成功しているというよくある話なのですが、成功者の体験談にありがちな嫌みっぽさが、不思議と全くなかったのです。実際の日々は激務で厳しい局面の連続なはずなのに、むしろ涼しい感じすら漂っていました。

 本人に会ってみて、その理由が少し分かりました。いい意味で、人柄や雰囲気がとても軽やかなのです。茶髪は長めですが、ホストなど、夜の商売の人ほどの濃さはありません。若いミュージシャンかカフェの店長さんのような外見です。普段から誰とでも分け隔てなく気さくに会話しているのでしょう。フットワークの軽さや敷居を高く設定しないところに人一倍の親近感が、伝わってきました。

 全員が全員とまではいいませんが、お金持ちや実力者たちは、人を寄せ付けないオーラを放ったり、どこかに人を見下した発言や調子がポロッと出てしまうものです。前田社長にはそれがありませんでした。

 事業のビジョンについても、直近の現実的な計画と、人生をかけて築いていく計画を、ともに明確に据えていて、話しも分かりやすく、興味を引かれていく内容でした。

 私の直感ですが、前田社長が、これからの新しい時代の情報サービスをリードしていくことは、十分にありえると思います。