初期の肺腺がんのため5月から入院・治療していた中村獅童(44)が11月の全国巡業の「松竹大歌舞伎」(1~26日)で復帰することになり、28日、都内で復帰会見を行った。会見では妻沙織さん(34)が妊娠5カ月で、12月末に出産予定であることを明かした。

 獅童によると、妊娠を知ったのは、がん発覚の3日前だった。「『良かった』と喜んでいた時にがんと知って。新しい命にたくさんの勇気をもらった。健康で長生きしなければと思った」という。獅童は性別について知らされていないが、「どちらでも元気で生まれてくれれば。楽しみです。順調にピンピンしています。自分がこういう時期に誕生してくれるわけですから、感慨深いものですね」と話した。

 獅童は5月18日にがんを公表し、同20日に羽田空港で取材に応じて以来、69日ぶりの公の場。手術を受けた後、会話するとせきが出たが、1週前に収まったという。「日課は散歩とスポーツジム通い。散歩中に大きな声を出したら、かなり出たのでよかった。順調に回復していて、今は7、8割の体調に戻った。11月には完全復活し、今まで以上に元気な舞台をお見せしたい」と笑顔で話した。

 がんは初期だったが、沙織さんが精密検査を勧めて、発覚した。「僕1人だったら、分からなかったと思う。医者にも『ギリギリセーフだった』と言われた。妻がそばにいてくれて感謝ですね。(乗り越えられたのも)彼女のおかげです」と感謝していた。