THE ALFEE高見沢俊彦(63)が作家デビューすることが3日、発表された。22日発売の小説誌「オール読物」(文芸春秋)に、処女作「音叉(おんさ)」が掲載される。バンドでプロデビューを目指すミュージシャンの若者の恋と葛藤を中心に、学生運動、フォーク、ロック喫茶など70年代の若者文化を背景に描いている。

 表現者として「常々、文章は書きたいと思っていた」と思っていたさなか、編集者から「小説を書いてみませんか」と誘われたという。話を進めていくうちに「音楽畑で長年やってきた自分ならではの表現もあるのでは」と書き始めた。グループ結成45周年を迎える来年夏に向け、書籍化を目指す。

 同誌の大沼貴之編集長は「(高見沢が)幼いころ、萩原朔太郎の本が並ぶ父の本棚、ヘミングウェーが並ぶ兄の本棚をながめるのが好きだったことを知り、『この人はどんな小説を書くのだろう』とがぜん興味を抱いた。できあがった小説は、想像をはるかに上回るものでした」と起用理由を説明した。

 主人公がミュージシャンの青年だが、高見沢は私小説ではなく「あくまでこれは創作であり、実話でも等身大の自分でもありません」と説明している。