76歳のベテラン俳優横内正が8月の東京・三越劇場でシェークスピア作「リア王」(23~27日)に主演する。昨年、初めて主演した舞台の再演で「また見たいという方も多く、そうなると、役者だから、またやりたくなった」。

 53年におよぶ役者生活のスタートは俳優座で、初舞台は仲代達矢主演のシェークスピア作「ハムレット」だった。「最初に登場する歩哨のフランシスコー役で、僕のせりふで芝居が始まる名誉ある役だった」。その後、蜷川幸雄さん演出「ロミオとジュリエット」「NINAGAWAマクベス」などに出演したが、「リア王」とは縁がなかった。

 「リア王は集中力、パワーがいる役。娘との親子関係など、今の高齢化社会で少しでも身近なものとして見てくれれば」。出演者も愛華みれ、下條アトム、秋本奈緒美らが新加入。「俳優目線で演出の面でもいろいろ提案したい。最後に近くなった俳優として、もう少しステップアップした舞台に」と意欲を見せた。