演歌歌手藤原浩(57)と岩出和也(46)が28日、東京・渋谷区のマウントレーニアホールでジョイントライブを行った。

 昨秋に初めて2人の公演を行い、好評だったので再演を決めた。藤原は「二十歳の祝い酒」、岩出は「東京陽炎」とそれぞれの新曲や、美空ひばり「真赤な太陽」、井上陽水「少年時代」のカバー曲など、計24曲を約300人に披露した。

 藤原の新曲は子どもの成人を祝う歌詞だ。藤原自身は20歳の時、家計を支えるために会社員から長距離トラックの運転手に転職した。車のラジオから流れる演歌を運転席で口ずさむうちに、歌手を志すようになる。作曲家・故遠藤実さんの内弟子生活を経て、33歳で歌手デビューをした遅咲きの苦労人だ。来年がデビュー25周年。「このジョイントライブを毎年の恒例にしたい」と、息の長い活躍を誓った。

 この日は、右手の中指に大きな包帯を巻いていた。ちょうど1カ月前に車のドアに挟み、指の先の骨がつぶれたという。「けがをした直後は、あまりの痛みとショックで失神してしまった。しばらくはズキズキと痛んで夜も眠れない状態。今は左手で上手に箸を使えるようになりました」と振り返った。

 岩出は今年が20周年の節目。「歌手としてやっと20歳。中堅になるだろうが、自分ではまだまだ若手だと思っている。初心を忘れずに、これからも頑張っていきます」と笑顔で語った。

 ユニット名が「FINE VOICE ブラザーズ」に決まったことには「良い名前ですが、これに負けないようにしたい」と気を引き締めた。