10月2日スタートの次期NHK連続テレビ小説「わろてんか」第1週試写が6日午前、NHK大阪放送局で行われ、ヒロイン葵わかな(19)の相手役、松坂桃李(28)だけが子役ではなく自ら10代半ばを演じ、子役の新井美羽(10)と「18歳差」接近シーンを演じた。

 「最初は、僕だけなんで子役でないのか? と(笑い)。逃げる場面で(新井を)抱いて小屋へ逃げ込む場面とか、大丈夫か? と思いながらやってました」

 松坂は笑いながら収録を振り返った。新井が演じたヒロイン・てんだけではなく、後に浜田岳が演じるヒロインの幼なじみも鈴木福(13)、松坂の旅一座での相棒役・キース(大野拓朗)も実年齢通りの前田旺志郎(16)が配された。

 松坂は「浜田岳も? (子役を)やらないの? と思ったけど、僕だけで…。何度も確認しましたよ! もちろん。僕だけ? って」とも言い、笑った。

 ドラマは、夫とともに寄席経営を手がけ、吉本興業を設立した吉本せいをモデルとし、葵演じる薬種問屋の娘・てんが、笑い好きがこうじて、後に夫となる北村藤吉(松坂)と一緒に、日本に笑いの文化を根付かせていく物語。テーマは「笑い」と「愛」になる。

 ヒロインと藤吉が出会う場面は、2人の「絆」「原点」を表現する場面でもある。松坂は「(接近場面は)そこで恋が芽生えたというよりも、後に再会してから、心が動いていくので、最初の場面は、とにかく『目の前にいるこの子を笑わせよう』という思いが強かったんだと思って演じていました」と語った。

 後藤高久チーフ・プロデューサーによると、子役ヒロインと出会う時代の松坂の年齢設定は「今の高校生ぐらい」と言い、相棒・キースを演じた旺志郎の実年齢より「ちょっと上」。今後、ヒロインが「原点」を回想する場面で「違う役者だとおかしい。松坂さんならやってくれると思った」と、起用を説明。そして「どうせなら、皆さん、第1週から松坂さんを見たいでしょ」とも付け加えた。

 NHK大阪放送局制作の朝ドラでは、「あさが来た」でも、玉木宏が子役ヒロインと「25歳差」演技で話題になったが、それを意識したのかについては「それはないです。たまたま、ですが、あさが来たより差はないんで」と語った。

 実際、子役の新井、鈴木コンビも熱演で、「笑い上戸」な世界観を表現。松坂との出会い、演技にも違和感はなく、新井は「こんなに年上の大人の人との恋(場面)は、初めてでしたけど、相手が松坂さんでよかった」とニッコリ。達者な演技力とは裏腹に「久々に大阪に来てうれしくて、昨日はお好み焼きを食べました」と、少女らしい天真らんまんさものぞかせた。

 また、その新井が成長したヒロインを演じる葵は、第1週の最後から登場。新井を「小てんちゃん」と呼び、新井の収録場面やリハーサルにも同席。「リハーサルの時点から、なるべく一緒にいるようにして、心の中でセリフを言ってましたし、自分も演技をしている気分でした。なので、嫉妬はありませんでした!」と話していた。