10年ぶりの連ドラに出演している松岡充(46)をインタビューした。ミュージシャンに役者と、マルチな活躍をする松岡だが、とにかく全ては「人との出会いなんです」と力説する姿が印象に残った。

 02年にフジテレビ系「人にやさしく」で連ドラでデビューしたきっかけは、当時通っていたバーで偶然で会っていた鈴木おさむ氏がきっかけであったことは記事でも紹介した。05年にNHK連続テレビ小説「風のハルカ」で朝ドラデビューした際も「当時やっていた生放送のラジオを、偶然プロデューサーが聞いていてくれたことがきっかけなんです」。今回出演中のNHKドラマ10「この声をきみに」(金曜午後10時)も、「風の-」の脚本を担当した大森美香氏から指名を受けての出演だったという。

 特に近年は舞台出演を重ねており、若手と汗を流すことも多いというが、二足のわらじをはくからこそ、客観的に感じることがあるという。

 「若手の俳優は、とにかく『映像に出たい』って言うんです。その気持ちもすごく分かりますけど、その先を聞くと『いろいろな人に見てもらえるから』と。え? それだけ? と思うこともあります。1つの順序で定義づけできないことがあるとは思うんですけど、僕の場合、こちら側の策略が本当にないところで15年間、俳優という仕事を一通りやらせていただいています。でもそれは、全部人との出会いです。ひょんなところを見ていてくれて、時が来たら『ぜひ一緒に』となっている。こんなこともあるんだよって」。

 ミュージシャンとしてヒットを体感し、役者としても経験を積んできたからこその視点に大きくうなずきつつ、何事も大切なのは「人との出会い」と、改めて実感した。